こんばんは、おでんです。今回は剣盾ランクバトル、ダブルS10で使用したパーティを紹介します。
ガルーラは思ったよりやる。
・構築の経緯
ガルーラスタン、6世代からダブルバトルに君臨した強力なパーティタイプの1つです。WCS2015ではトップ8のうち6人がこの系統を採用し、そのあまりの強さから7世代の仕様変更に少なからず影響を与えたであろうと考えています。それでも、WCS2018のトップ8になお残る活躍を見せてくれました。
世代が変わっても、安定した成績を残し続けたガルーラスタン。もちろん7世代になった際に、仕様変更や新たなポケモンに直面し、マイナーチェンジを繰り返していったのは言うまでもありません。となれば、8世代でも同様のマイナーチェンジによって、戦うことができるのではないかと考え、今回組んでみることにしました。
さて、ガルーラスタンとはひとくちに言われますが、このパーティはとにかくできることが多いです。S操作だけでもおいかぜ、トリックルーム、こごえるかぜ、でんじは。高種族値良耐性のポケモンで固め、サイクル戦も十分にこなしながらも、不意の積み技から一気攻勢をかけることもできる。主役のガルーラはもちろん、取り巻きにも多種多様な型が存在するため、相手に応じて柔軟な動きを取れて、しかも決め打ちされにくい。中々厄介であります。
これらをそのまま移植できればいいのですが、あいにく準伝説はいまだほとんど解禁されておりません。そこで、これらのポケモンが持つ要素(役割など)を抽出し、今使えるポケモン達に振り分けることで、再構築してみればいいのでは?と思いつきました。ということで、以下の構築を参考にやります。
参考...
rinstar.hatenablog.com
ガルーラ...ねこだまし、積みエース、先制技
霊獣ランドロス...いかく、対面操作、瞬間火力
カプ・レヒレ...積みエース、全体技、フィールド操作
クレセリア...S操作、S操作、崩し、対雨
7世代も後半のUSMシーズン11ということで、かなりメタ意識な構築になっていますが、それこそガルーラスタンの本質なのではないかと思います。これらのうち、8世代でも重要なもの+追加で必要な要素を振り分けることにしました。その結果、以下のような形に落ち着くのでした。
ガルーラ...ねこだまし、先制技、対トリル
アシレーヌ...全体技、積みエース
ウインディ...いかく、先制技、S操作、C下降
バチンキー...対面操作、フィールド操作、先制技(条件付)、ねこだまし
オンバーン...情報アドバンテージ、S操作、瞬間火力
ギガイアス...対トリル、対晴れ、瞬間火力、積みエース、天候操作
長くなりましたが、ここからは個別紹介に入ります。
・個別解説
1.ガルーラ@ぼうじんゴーグル
191(84)-150(172)-100(0)-x-132(252)-110(0)
いじっぱり、きもったま
のしかかり/ふいうち/ねこだまし/ともえなげ
HD:196アシレーヌ@いのちのたまのダイストリーム(150)を確定耐え。
H16n-2
A:余り
パーティの旗印。使うなら今しかない(エースバーンやイエッサンが暴れてる環境で使う自信はない)
ガルーラというポケモンは、ガルーラスタンの取り巻きの多様性とは対照的に幅の狭さがこれまで気になっていました。努力値の振り方こそ色々ありますが、ほとんどにおいて「ノーマル技/ねこだまし/ふいうち/サブウェポンorまもる」に収束しています。特性はきもったまが優勢で対抗にせいしんりょく。どちらにしろ、持ち物はガルーラナイト。非メガのガルーラというものは、およそ7年間考察の表舞台から遠ざかっていたと言えます(WCS2017ルールでも一応使えたけど、私以外使ってる人を見たことない)
7世代のガルーラは、とにかくピンチベリーとガオガエン(いかく)に悩まされました。他にもボーマンダやメタグロス等の高種族値メガシンカ組が台頭し、タフなゲームメイクを強いられていました。
今、8世代ではピンチベリーが弱体化して採用率が下がり、回復アイテムはオボンのみがメジャーになっています。また、既存の特性の一部がいかく耐性を獲得しました。フィールドの補正も下方修正され、ダイマックス技の威力はかつてのZ技ほどではなくなりました。前作と比較してデフレ環境と言えるでしょう。ガルーラもメガシンカを失いましたが、それ以上のテコ入れと周りの修正の結果、割と戦えると判断に至るのでした。特にシリーズ6は天敵のエースバーンが不在で、かつ準伝説もほとんどいません。
さて、火力水準が下がったとはいえ、ガルーラ自身の種族値も実質的に下がっているため、今回はADベースの調整としました。いかく要員のウインディのことを考え、特にアシレーヌを意識した振り方を心がけています。技は、いかくが効かずきもったまもあるため、シンプルな形に。基本的にねこだましからのしかかり連打してるだけで結構強いです。おんがえしと違って追加効果の圧力があり、すてみタックルと違って反動もありません。
ともえなげとぼうじんゴーグルについて、特に持ち物はまだまだ検討の余地があります。ただ、今回は相手のトリックルームやはらだいこといったやばい動きへの対抗策として採用しました。特にはらだいこは、ゆっくり攻めるこのパーティの天敵であり、ダイマックスでもってしても切り返せないため、思ったより重要です。また、ジュラルドンのドラゴンテールと違い、ブリムオンのトリックルームを止められるのが光ります。ささやかながらダイナックルのベースにもなります。
ガルーラはダイマックスを切ることはあまりありません。従来のガルーラスタン同様に、味方のサポートが第一で、ついでにアタッカーもできればいいな~くらいの感覚で使うとちょうどいいでしょう。ダイマックス適性そのものはあると思いますけどね。
2.アシレーヌ@たべのこし
177(172)-x-135(228)-146(0)-150(108)-80(0)
ずぶとい、うるおいボイス
ハイパーボイス/ムーンフォース/めいそう/まもる
HBD:H252カプ・レヒレと同値。
ジェネリックカプ・レヒレ。思ったよりちゃんとカプ・レヒレやってた。
上述の通り、火力がデフレ気味の8世代において、カプ・レヒレと全く同じ耐久というのは中々優秀な数値であります。メガシンカもないため、火力も耐久も高い水準で持てるだけでも希少です。しかもだくりゅうのように外す心配もない!
オボンのみとたべのこしで迷いましたが、後述のバチンキーとの相性を買ってたべのこしにしました。カプ・レヒレを扱う上で課題だった体力管理の問題を、これで改善させています。
ねこだましと併せて全体技で削るのもよし、めいそう+ダイマックスで蹴散らしてもよし。ギガイアスほどではありませんが、リザードンやセキタンザンといった炎対策としても重要な他、ウーラオスに後投げがきく枠でもあります。序盤は大事に使う方がいいでしょう。
3.ウインディ@とつげきチョッキ
197(252)-x-100(0)-151(140)-115(116)-115(0)
ひかえめ、いかく
かえんほうしゃ/バークアウト/じならし/しんそく
HD:195アシレーヌ@いのちのたまのC-1ダイストリーム(150)を最高乱数以外耐え。
便利屋。少し振ったDが光る。
霊獣ランドロスほどではありませんが、多様な役割を求められます。おいかぜもトリックルームもないパーティで貴重なS操作、同時にギガイアスのじゃくてんほけん発動のアシストもこなします。また、バークアウトやいかくで相手のダイマックスエースを疲弊させ、やり過ごすためにも欠かせません。一方パーティ単位で薄いナットレイに打点を持ち、しんそくにより確実なとどめや削りも行います。
地味に厳しいポリゴンZのダイアタックもなんとか耐えられるので、大抵の等倍ダイマックスの前で仕事をしてくれるでしょう。ガルーラ以上に周りのために動かすという立ち回りが求められます。
4.バチンキー@しんかのきせき
177(252)-150(252)-90(0)-x-81(4)-100(0)
いじっぱり、グラスメイカー
グラススライダー/はたきおとす/ねこだまし/とんぼがえり
H:16n+1
猿。ストーリーでサルノリ選んだから、進化した時衝撃が凄かった。
バチンキー、思ったより無駄のない種族値をしており、HA振り@しんかのきせきにより、種族値505相当になります。ゴリランダーほどではありませんが、技も十分に優秀なため、対水、草として採用しました。
グラススライダーの火力は、フィールド補正込で133ファイアローのブレイブバードの8割といったところ。先制技としてはそれなりですが、過信は禁物です。フィニッシャーとする場合は、周りでダイマックスを枯らし、念入りな削りが求められます。また、とんぼがえりもあるので、クッションにするのかアタッカーにするのかの判断が重要です。1でも残ってれば仕事できるので、落ちないように気をつけましょう。
バチンキー自体は結構強いのですが、サマヨールとの同居が事実上不可能なこと、方向性は違うもののナットレイの存在が気になるので、この辺の選定は多分結論が出ない。
5.オンバーン@いのちのたま
160(0)-x-100(0)-149(252)-101(4)-192(252)
おくびょう、おみとおし
りゅうせいぐん/かえんほうしゃ/エアスラッシュ/まもる
速いポケモン枠。スカーフ以外で上取れるのはマニューラくらい(大問題)
当初はダイマックス枠として、特にダイジェットで味方のSを上げ、攻め込む!つもりでした。ところが、どうにもミリ耐えされることが多すぎる。速さと引き換えにCが並程度で、ちょっとダイアース使われたくらいで圏外に逃げられる等、上手くいかないものです。また、パーティは全体的に低速なポケモンが多く、1段階程度ならウインディのじならしで事足りてしまうという問題も。
おみとおしはとても優秀な特性ですが、それならサマヨールを採用して、草枠をナットレイにした方がいいかもなあとは思います。あるいは別のドラゴンタイプに交代するか。ちょうど、地面耐性のあるドラゴンの候補が2匹いたので、変えてみたいです。
6.ギガイアス@じゃくてんほけん
192(252)-205(252)-150(0)-x-101(4)-32(0)
ゆうかん、すなおこし
いわなだれ/じしん/ベビーボンバー/まもる
S:個体値12-13、最遅モロバレル+1
今回のMVP。どんどん選出率が上がった注目株。
すなおこしが使える岩タイプというだけで、高い数値が保証されています。当然ダイマックスとの相性も良好で、困ったらギガイアスにダイマックスをさせます。BDどちらも上げられるのがグッド。鈍足故対トリックルームとしても重要で、また重いポリゴンZのノーマル技を耐えることもできます。
ここで、ドサイドンじゃダメなのかと思った方もいるかと存じます。単体性能ならドサイドンですが、天候を取ることで相手のすいすいやようりょくその無力化ができるギガイアスの方がこのパーティには合ってると判断しました。S関係の仕様が変わった8世代では、今まで以上に天候特性の需要があり、ガルーラスタンに入ってくるのは時間の問題でした。
強いポケモンですが、ダイマックスを切りたいので体力管理が重要で、かつ耐性そのものはあまり優秀ではないため、主に後発で使っていきましょう。こいついるからサマヨールを諦めきれない。
・選出
珍しくあんまり決まってないので、特に先発に特化して説明します。大事なのは、相手のエースに不利を取らないようにすること。
ガルーラ+アシレーヌ...ガルレヒレの再来。大体この2匹から動かして、後ろのウインディで守ったり、オンバーンで加速していきます。
アシレーヌ+ウインディ...特にリザードン等の炎が見えた時に。後ろにギガイアスを置いておけば盤石なものの、取り巻きにウーラオスがいると受け出しができないため、アシレーヌの温存が鍵になります。
・苦手な相手
パッチラゴン...電気の一貫ができているので、不利対面を作ったら1匹は覚悟しないといけません。地面やひらいしんが欲しい。
ウーラオス(悪)...アシレーヌでしか受け出しができず、しかもふいうちもあるためオンバーンで上からというのも難しい。
カビゴン...いつもの。ウインディ後投げで攻撃をケアしつつ、ともえなげを決めましょう。
・まとめ
最近『 鋼の錬金術師』を読んだんですよ。あれめっちゃ面白いですよね。ちょうど同じ頃に、ガルーラスタンを組んでて、個々のポケモンの役割を振り直したらいい感じにまとまったんですよ。で、やってること錬金術と同じじゃね?となり、こんなタイトルになりました。
今回のパーティはあくまでも叩き台、まだ全てを取り戻すには程遠いのが現状です。しかし、現状8世代でガルーラが最も活躍できる環境だと確信しているので、ここから更に磨き上げてS11も頑張ろうと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。