こんばんは、おでんです。今回はランクバトル(ダブル)S18で使用した構築を紹介します。何かの参考になれば幸いです。
メタグロスを蟹と言って通じる人はどのくらいいるのだろうか。
・構築の経緯
さて、JCS予選も終わった後ということで、また腕を磨く1年間が始まりました。予選ではボーダーまでもう一息というところでトリパに立て続けに当たり、全敗して終わったのですが、いい機会なので自分で使ってみることにしました。と言うのも、8世代になってこのかたトリパを組んだことがなかったんです私。
トリパは全く使ったことがないわけではなく、7世代ではむしろ愛用している方でした。しかし8世代では初期からトリパの勢いが強く、ミラーが多発するのを恐れて距離を置いてました。1度だけ組んではみたものの実用レベルではなく、次に触ったのが1年後のバナコーポリ2でした。
バナコーポリ2はとても強い構築ですが、個人的にはポリゴン2にトリックルーム起動役を任せるのは合いませんでした。個人的な考えですが、起動役には行動保証とねこだまし耐性とちょうはつ耐性が求められると思っています。それらは隣のポケモンに補佐してもらうこともできますが、貴重なトリックルームのターンを考えると中々もったいない話です。特に8世代では、古くはサマヨミロの頃から初手ダイマックス+トリックルームの動きが確立されています。そのため、上記の要素を持つトリックルーム起動役を探すことにしました。
ちょうはつ耐性についてはメンタルハーブや特性どんかん。ねこだまし耐性は特性せいしんりょくorりんぷん、あるいはゴーストタイプ。行動保証はきあいのタスキや特性がんじょう等。これらの組み合わせにおいて、特にねこだまし耐性だけは持ち物でカバーできません。必然的に候補が絞られ、今回はミミッキュを選択しました。行動保証は特性ばけのかわ、ちょうはつ耐性はメンタルハーブで対応します。
起動役が決まったのでメインポケモンの選定です。これは途中でかなり変わりました。当初はバナコーとカメックスを入れていました。
フシギバナとカメックスを選択または両立した選出は、叩き台としては中々の手応えを感じました。
その後、マルヤクデに注目し、別の並びに改造しました。
キョダイヒャッカはキョダイベンタツ等とは仕様がかなり異なり、また岩と飛行が弱点ということで上手く扱えず、最終的には断念しました。
マルヤクデ型のパーティには途中、補完としてメタグロスを入れていたのですが、マルヤクデの低迷に伴い選出率を上げていき、遂にはメタグロス軸のトリパにすることを決意しました。ミミッキュ+メタグロスを軸に、状態異常ケア兼詰め筋のカプ・レヒレ、最高のトリパエースであるコータス、トリックルームが切れた後に欲しい先制技持ちのウーラオスまではすぐに決まりました。最後の1枠はかなり迷走し、一時はサンダーに決まったものの期待した役割を果たせず、代わりにカイリューが入りました。この過程でウーラオスの代わりにフシギバナが採用され、最終的なパーティとなりました。
・個別紹介
1.ミミッキュ@メンタルハーブ
159(228)-110(0)-145(252)-x-129(28)-104(0)
のんき、ばけのかわ
トリックルーム/のろい/ちょうはつ/かげうち
H:16n-1
S:無振り85族-1、トリックルーム中カプ・レヒレ以外の味方より遅く動く
BD:フシギバナと並べた時にダウンロードでAが上がる
トリックルーム要員です。ポリゴン2ほどではないですが運ゲー要素を持ちます。
上記の通り、トリックルームを確実に張れるポケモンとして採用しました。実際はダイマックスを切られて倒されることも多いのですが、概ね役割は果たせたかなと思います。
努力値についてですが、ミミッキュに集中される場合の、皮が潰れた後の攻撃を意識しました。経験的に、レジエレキのエレキネットで皮をはがされてから隣の物理アタッカーに集中されることが多く、物理耐久を厚くすることで耐えられる場面がとても増えました。中乱数とはいえ、A182ウーラオス悪@こだわりハチマキのあんこくきょうだを耐えられるのは魅力的。
技について、採用理由のトリックルーム、メタグロスを小突くためのかげうち、相手の面倒な技を防ぐちょうはつは確定です。ちょうはつは主にポリゴン2のじこさいせいやサイドチェンジ、まもるを封じるために使いますが、なくても勝てるよという方はでんじはやまもるでも入れておけばいいと思います。
4つめの技であるのろい、こいつは7世代のミミッキュではよく採用されたのですが今では少数派となってしまいました。しかしながら攻撃的なパーティが人気の8世代にこそ光る技だと考えて採用しました。というのも、トリックルームを決めたら一刻も早くミミッキュを退場させたいというのがあります。後発のコータスで何回攻撃できるかが勝敗を分けるので、まもるを貫通しながら自身のHPを削るのろいは非常に便利なのです。また、トリパ相手に安易にまもるをしてくるのを、1/4もの定数ダメージで咎めることもできます。
ちなみに、ダブルバトルにおけるのろいは対象がランダムで、既にのろいを受けているポケモンが1匹いてももう片方が確定で選ばれたりはしません。これのおかげでそこそこ運ゲーを求められる場面もあります。ですので隣のポケモンに1匹倒してもらう→のろいという動きを意識するといいでしょう。
長くなりましたが、トリックルーム要員としては高いポテンシャルを感じられました。
2.メタグロス@じゃくてんほけん
187(252)-200(212)-150(0)-x-110(0)-96(44)
いじっぱり、クリアボディ
アイアンヘッド/じならし/いわなだれ/まもる
S:大体のガオガエン抜き
今回のメインのダイマックス枠。めちゃくちゃ強くて見る目が変わりました。
トリパを組むにあたって、使用率の高いトリパ対策は必ず対策しておくべきであります。今回は特にモロバレルとブリザポスに焦点を当て、少なくともダイマックス枠はブリザポスと互角に戦えなければと考えました。また、トリックルームを凌ぐ常套手段であるガオガエンの後投げ→ねこだましにも対応したいと思っていました。
特性クリアボディのメタグロスはこれらの条件を満たす適役で、しかもミミッキュのかげうちでじゃくてんほけんを発動させるオプションも搭載できます。特にミミッキュが集中される試合も多い中、オプションだけでも起動させておけば勝ちにもちこめる程度のパワーもあり、補完としての採用からパーティの主役に躍り出ました。
努力値について、Sに振ってるのは元々でんじはで最速エースバーン抜きの個体を育成したのを流用したからです。この辺は仮想敵になりそうなポケモンもあまり浮かばなかったのでそのまま使いましたが、不便を感じることはなかったです。また、メタグロスはじならしとのコンボ狙いで準速や最速にされることもありますが、しっかり耐久に振ることでダイマックス同士の打ち合いも安定しました。ドラパルト@いのちのたまのてだすけダイホロウ耐えたのはさすがにビビる。
技についてはいわなだれくらいでしょうか。取り巻きからしてヒートロトムやガラルファイヤーを呼ぶので、甘えたわるだくみのタイミングで押します。本当にわるだくみされまくるので、特に初手なら多少強気になってもいいくらいだと思います。
使用率も高く、マークも厳しいポケモンではありますが、さすがの600族でした。
3.カプ・レヒレ@たべのこし
177(4)-x-135(0)-156(212)-150(0)-111(44)
ひかえめ、ミストメイカー
マジカルシャイン/ねっとう/まもる/めいそう
トリックルーム終了後の詰めを担うはずだったポケモン。どんどん選出率が落ちていきました。
7世代でガルーラスタンを使っていたことから、使う機会そのものは結構ありました。しかしこのポケモンは明確にこれという役割を決めにくく、持て余していました。ところが、JCS予選で使っていたソルガレオが状態異常に悩まされ、またフォロワーの椿さんがメタグロスやザシアンにカプ・レヒレを組み合わせているのを見ていたので、今回改めて試すことにしました。
このパーティにおけるカプ・レヒレは、ミミッキュを素早く退場させた後にメタグロスの隣に出すことを念頭に置いてます。ダイスチルのB上昇を乗せながら頭数を減らしてもらい、その隙にめいそうで要塞化します。これにより、トリックルーム中のアタッカーのみならず、トリックルーム終了後に耐久と火力で押し切る役割を担います。もちろんミストメイカーによる状態異常ケアも優秀です。
努力値はその辺にいた個体の流用なので、本当はゴリランダーやイエッサンとのフィールドの取り合いを意識して耐久か火力に振るべきです。また技ですが、クリアボディやミストメイカーと安定重視の要素を積み重ねているため、それを技外しで台無しにするのは耐えられないのでテンプレから変えました。メタグロスが苦労するドラパルトやウーラオスをついでに倒せるマジカルシャインは使い勝手がよく、コータスがいる都合水技は何でもいいという感じでした。それでもねっとつの外さない安心感は気に入ってます。
試合展開にはめ込む形で使い方を考えたので、ただ使うよりは格段に使いこなせたと思います。しかし最後の方はカイリューに出番を奪われてしまった...。次に使う時は他の型も含めて色々試してみたいです。
参考:
#ポケモン剣盾 #NintendoSwitch
— 椿 (@Tsubakiandmeu02) 2021年1月30日
今期のランクバトルやグロチャレで使ったパーティー pic.twitter.com/aUmXk4TJta
#ポケモン剣盾 #NintendoSwitch
— 椿 (@Tsubakiandmeu02) 2021年4月12日
去年に引き続き今年も予選抜けだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ pic.twitter.com/7Wr4jkJqQl
4.カイリュー@とつげきチョッキ
197(244)-204(252)-116(4)-x-121(4)-101(4)
いじっぱり、せいしんりょく
ダブルウイング/じしん/れいとうパンチ/しんそく
対リザードン&セキタンザン要員です。後者ははともかく前者は無理がありますね...。
トリパを考える上で大事な事として、いかにトリックルームを張るか、トリックルーム中にどれだけ攻めるか、トリックルーム終了後にどう締めるか、の3点があります。カイリューはこの中で締めの部分での活躍を想定しています。特性せいしんりょくによりねこだましや特性いかくに耐性を持ち、しんそくにより先制技の打ち合いにも強いです。バナコー入りのトリパでは、通常この枠は霊獣ランドロスが採用されています。しかしランドロスの非ダイマックス状態の使いにくさやランドロスミラーの不毛さを感じていたため、物理氷技を使えて高耐久なカイリューにしました。
ランドロスが担っていた対リザードンはもちろんのこと、いざという時にはセキタンザン相手にもダイマックスを切ります。+2キョダイフンセキ(140)を耐えて、返しのダイアースでなみのり等のダメージ込で倒しきれるからです。どちらもカイリューを採用してから当たらなくなったので使う機会はありませんでしたが、そういう使い方もできます。
普通に使う分には頼りになりましたが、技構成の都合ダイマックスを切った時にトリックルームとイマイチ噛み合ってないのは気になりました。次に使う時はドラゴン技を入れるのも一考です。
5.コータス@もくたん
177(252)-x-160(0)-150(252)-91(4)-22(0)
れいせい、ひでり
ふんか/ねっぷう/ソーラービーム/まもる
S:個体値0
トリックルームを使うなら、このポケモンを外す訳にはいきません。言うまでもなく大活躍でした。
トリパ対策のブリザポスやモロバレルの30族よりさらに遅く、高火力全体技と特性による更なる火力アップ、小技にも優れて高い物理耐久まで備えます。メタグロスがしんどいミラーでも一方的に攻勢に出られるのも頼もしいです。
技も努力値も定番のものを採用しています。カプ・レヒレがいるためあくびも不要、サブウェポンをボディプレスやだいちのちからからお好みで変える程度でしょうか。
あまり多く語ることもないくらい強いポケモンでした。トリパを初めて触る方は、次のフシギバナ共々採用することをおすすめします。
6.フシギバナ@バコウのみ
187(252)-x-103(0)-167(252)-120(0)-101(4)
ひかえめ、ようりょくそ
リーフストーム/ヘドロばくだん/だいちのちから/まもる
S:ようりょくそ発動で最速130族抜き
サブのダイマックス枠にして、トリックルーム終了後の高速アタッカーでもある便利屋。このポケモンもすっかり手に馴染みました。
普段GSルールでいのちのたまを持たせてるので、火力がやや不安でしたが、キョダイベンタツの定数ダメージはその懸念を払拭してくれます。バコウのみのおかげで場持ちもよく、これはこれで頼りになります。
キョダイベンタツはミミッキュののろいと組み合わせることでより凶悪になり、毎ターン相手のHPを約5/12も削るというとんでもない性能になります。ここまでくると放置しても勝手に倒れてくれるため、通りが悪くてもキョダイベンタツを1回は使うのが大事になります。特に、欲張ってダイアースやダイアシッドから入ると透かされることも少なくないため、ダイウォールケアで半減相手にも使ってみてください。
さすがにトップメタだけあり、こちらも特に語ることがありません。まだ使ったことない方は、こんな記事読むより使った方がいいですよ。
・選出について
1.メタグロスをダイマックスさせる場合
先発:ミミッキュ+メタグロス
後発:コータス+フシギバナorカイリューorカプ・レヒレ
最もパワーの出る選出です。ミミッキュのトリックルームはかなり警戒されるのですが、意外にもかげうちはノーマークなことが多いので、かげうちから入るのも大事です。基本はトリックルーム+ダイマックス技orまもるorダイウォールです。
メタグロスのダイマックス技でミミッキュも硬くできるため、のろいはすぐには使わずちょうはつでサイドチェンジやトリックルーム返しのケアをしておくと、試合後半が楽になるでしょう。瞬間火力はフシギバナを大きく上回るので、この選出をできる時は爽快感ある試合が楽しめますよ。
2.フシギバナをダイマックスさせる場合
先発:ミミッキュ+フシギバナ
後発:コータス+カイリューorカプ・レヒレorメタグロス
メタグロスがどうにも厳しい時はこちら。定数ダメージでゴリゴリ削っていきます。
基本的な動きは初手トリックルーム+ダイマックス技ですが、フシギバナには特性ようりょくそがあるため最悪ミミッキュが出落ちしてもなんとかなります。それよりもキョダイベンタツのダメージを後続に入れることを意識します。倒せるポケモンから倒し、のろいもガンガン使っていきます。前述の通りまもる貫通で対象ランダムなため、狙える時は片方を倒して運ゲーを回避します。
普段キョダイベンタツを使ってる人でも、のろいと合わせると凄まじい削り具合に笑いが出ちゃいますよ。
・感想
良かった点としては、自分の練度の低さに合わせてトリックルーム要員を変更したこと、全体的に攻撃的に組んで立ち回りを単純化できたことです。特にシングルでやりがちなのですが、広い範囲を対応しようとして結局何にも勝てなくなるというオチを回避するため、選出や試合中に考えることを極力簡略化しておきました。もちろん試合中に判断することもたくさんありますが、シンプルに作ったからこそ対応する余裕が生まれ、上手く捌ける場面が増えたと考えています。
反面、きついパーティにはほとんど何もできないor運任せな対応を迫られる試合が多かったのが反省点です。特に対リザードンは壊滅的なものであり、そのせいでカイリューの枠がかなりおかしくなってしまったと感じています(リザードンを切るならカイリューをウーラオス悪にして、カプ・レヒレを対セキタンザンでダイマックスを切るのが良いかなと思います)。実際リザードンはあんまり当たらなかったので、結果的にカイリューの採用は空振りに終わりました。その辺は環境の理解不足というか、あまり数をこなさない悪癖が出たかなと。無理のない範囲で潜り、かつデータの分析を強化して、来月のパーティでは取捨選択をより適切にできればと思います。
これは構築そのものには関係ない話ですが、私は1度手に馴染むパーティを手に入れるとひたすらそればかり使う部類の人間であります。ですので、こういう風にテーマを決めてパーティを組むと、今まで使ったことのないポケモンを使う機会をたくさん得られるので良いなと感じました。今は勉強の時期なので、どんどん新しいポケモンを試していきたいですね。
以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
TN:おでこ