こんばんは、おでんです。今回は剣盾の公式大会「ウォーターパラダイス」で使用したパーティの紹介となります。今後の参考になれば幸いです。
この記事に対する質問は@atsuatsuoden252まで。
一見普通のパーティだが...?
・ウォーターパラダイスについて
水タイプのポケモンが使用可能なシングルバトル(複合タイプあり)。ただしウーラオス、カプ・レヒレ、シルヴァディ、スイクン、禁止級は不可。
・構築の経緯について
今回のウォーターパラダイス、発表時は面白そうだと思いつつ、見送りかなと考えていました。しかし、フォロワーのバイトぽけさんに考察鯖に誘われ、せっかくなのでやってみることにしました。
やるからには環境を見るところから始めなければなりません。ウォーターパラダイスというプールにおいて、まず重要なのは全体的なSラインの低さです。ウォッシュロトムやギャラドスを抜けるポケモンが少なく、この2匹がS調整をする上で基準となりそうです。また、種族値の平均の低さもこの2匹を相対的に高い位置に押し上げてます。そして、水タイプ同士の殴り合い=サブウェポンでの弱点の突きあいになることから、電気タイプのウォッシュロトム、パワーウィップを使えるギャラドスいずれも強いでしょう。
このように、ウォッシュロトムとギャラドスはこの環境でのトップメタであることは火を見るより明らかです。ですのでこの2匹を軸に、相手のウォッシュロトムやギャラがに強く出られる構築を組めば、自然と勝ち上がれるだろうと、そう考えました。
ところで、軸とは何でしょうか。ここでは、「多様な選出に絡み、それぞれの場面で役割を遂行できるポケモン」としておきます。となれば、自ずと型も絞られてきます。すなわち、ダイマックスを切っても切らなくても強い型に仕立て、取り巻きで足元を固めること。このようにパーティを組むべきだと。
そこで、ウォッシュロトムはこだわりスカーフ型にして対面操作+スイーパー+ダイマックスの要素を、ギャラドスはいかく+オボンのみ型にして受け駒+ダイマックス枯らし+積みアタッカー+ダイマックスの要素を、それぞれ投入。ウォッシュロトムにダイマックスを切る対面的な立ち回りを強化するとつげきチョッキ型ラプラスを3匹目に、ギャラドスにダイマックスを切る展開的な立ち回りを強化できるポケモンとしてイバンのみ型ジーランスを4匹目に据えました。
この4匹だけでかなりの相手を見れるのですが、ミラーになる可能性も極めて高い並びです。そのため、残り2匹で穴埋めをします。5匹目には、「なんとなくワンチャンありそう」の評価から抜擢したすなかき型のウオノラゴンを。6匹目は散々迷いながらも相手のルンパッパとドヒドイデ避けも兼ねてドククラゲを選択しました。
これでパーティが完成しました。個人的にはとても満足のいく形に仕上がったと思います。
...と言うとでも思っていたのか?
・個別紹介
1.ギャラドス@オボンのみ
175(36)-155(76)-135(188)-72(0)-121(4)-127(204)
わんぱく、いかく
とびはねる/パワーウィップ/じしん/りゅうのまい
HB:A194ギャラドス@いのちのたまの-1ダイジェットをオボン込で確3
S:+1で最速インテレオン抜き
パーティの要その1。
ギャラドスというポケモン、鎧の孤島環境にてじしんかじょう型を使っていたので、その強さも対策も熟知しております。ウォーターパラダイスでは受け出しなどほとんど不可能な状況でありますが、ギャラドスに関してはギャラドスの後投げが可能なため、先にダイマックスされても巻き返せるいかく型を採用しました。
努力値はとにかくギャラドスのダイマックスターン枯らしに重点を置き、残りで最低限の抜き性能を持たせました。これは環境初期から愛用してる個体なので、想定するギャラドスの火力がかなり高めです。ですので努力値はそのままに性格をようきにして、最速ガマゲロゲ抜きにしても良かったかなとは思います。
技については無難なものを揃えています。ギャラドスを意識するなら岩技も候補ですが、ダイアースでルンパッパのカウンターを凌いだり、D上昇の恩恵もそれなりにあると判断しました。ギャラドスに限らず多くの物理アタッカーを起点にできるため、りゅうのまいは便利でした。
特にウォッシュロトムと同時に選出することで、試合展開を自在に変えられる柔軟性の高さは頼りになりました。
2.ウォッシュロトム@こだわりスカーフ
131(44)-x-127(0)-156(244)-127(0)-147(220)
おくびょう、ふゆう
ほうでん/あくのはどう/ボルトチェンジ/トリック
S:最速ギャラドス抜き
HB:A189シザリガーのてきおうりょく補正はたきおとす確2、A194ギャラドス@いのちのたまのダイソウゲン(140)をダイマックスで確定耐え
パーティの要その2。
古き良きこだわりスカーフ型ですが、わりとダイマックスを切ります。特に相手がラプラスを死に出ししてきた時に、ダイアーク→ダイサンダーの流れを決めます。大体裏にギャラドスがいて、ダイウォールから入ってきます。そしたらダイマックス後にボルトチェンジでこちらのギャラドスを後投げし、相手のダイソウゲン→ダイジェットを受けます。この動きで、相手のソクノのみを潰しつつダイジェットを1回に抑え、安全に処理することができるのです。
この動きを実現するために、努力値は最速ギャラドス抜きは絶対です。後は火力と耐久のさじ加減となりますが、耐久は少し振るだけで殴り合いにかなり強くなるので可能な限り厚くしたいところ。実際、練習の仲間大会ではたった6増えたHPに助けられた場面は少なくありませんでした。
持ち物も採用理由からしてこだわりスカーフ一択です。特性ねんちゃくのトリトドンが増加した影響で受けられやすくなりましたが、それでもトリックが決まれば無理な試合も通ることが多々あります。地味にあくのはどうのひるみも狙える点も見逃せません。
こちらも軸に違わぬ実力でした。
3.ラプラス@とつげきチョッキ
207(12)-94(0)-120(156)-150(252)-122(52)-85(36)
ひかえめ、シェルアーマー
フリーズドライ/10まんボルト/こおりのつぶて/ボディプレス
HB:A177ギャラドス@いのちのたまのパワーウィップを確定耐え、A194ギャラドスの持ち物なしダイソウゲンを確定耐え
HD:C157ウォッシュロトムの10まんボルトを最高乱数2連以外耐え
H:16n-1
S:余り、同族意識で少し
さて、前座はここまで。上2匹は徹底的にメタられているため、実際によく選出したのはラプラス、ジーランス、ウオノラゴンの3匹になります。
ラプラスというポケモンは、このルールにおいては極めて多くのポケモンに有利をとることができ、対面的な選出においては欠かせないポケモンと判断しました。反面ミラーや高耐久ポケモン相手にはしんどい印象です。そのため、今回は高耐久ポケモンは無視してミラーには勝てるようにしました。
努力値はメジャーな攻撃を意識したものになってます。ギャラドスの項でも触れましたが、ギャラドスの火力ラインが下がっているように見えたので、出落ちはほとんどありませんでした。そもそも先発で出すので遭遇の機会はないのですが。
技についてはボディプレスが特筆でしょうか。このB実数値でも、B特化ラプラスに対し52以上のダメージが入ります。一方フリーズドライはD無振りでも51以上となります。じゃくてんほけんを警戒する序盤はフリーズドライで小突き、持ち物が割れる途中からボディプレスで圧力をかけると、相手の予想してる確定数をずらすことができ非常に効果的です。ただ、10まんボルトは本当に必要だったか少し疑問が残ります。つのドリルやこごえるかぜ等の検討をすべきだったかもしれません。
考察当初は低く見ていた自分の見る目のなさを叱りたい。
4.ジーランス@イバンのみ
175(0)-156(252)-150(0)-x-86(4)-102(252)
いじっぱり、がんじょう
もろはのずつき/あくび/ステルスロック/がんせきふうじ
パーティの真の要。対面も展開もこなす高性能じいちゃん。
特に展開からの全抜きを狙う場合に先発から投げていきますが、実際には2番手に置いて安全な立ち回りを心がけます。これは初手のルンパッパ等を恐れているのもありますが、初手の段階では不確定要素が多すぎて、最適な行動が見えにくいというのもあります。例えば先発ラプラスで1匹落として2匹目を見てからなら、ラス1や持ち物を絞ってステルスロックを撒くかあくびを使うか、はたまた殴りにいくかを判断しやすくなります。岩技が通りやすい環境のため、アタッカーとしても有用です。
努力値も技もテンプレで固めたので、特筆すべき点はありません。試合中に作戦をスイッチできるこのポケモンには、余計なものは必要ありません。
使う前はS種族値すら間違って覚えているような有様でしたが、見直しました。
5.ウオノラゴン@いのちのたま
165(0)-156(252)-120(0)-x-104(28)-124(228)
いじっぱり、すなかき
げきりん/ロックブラスト/じならし/サイコファング
S:最速ラプラス抜き
遅れてきた怪物。本当に怪物だから困る。
ソクノのみやリンドのみの普及に伴い、ギャラドスやウォッシュロトムを通すのが難しくなるだろうと感じていました。また、この2匹+ラプラス以外に種族値の高いポケモンが少なくパワー不足を懸念していました。この他、ダイジェットに勝つための倍速の手段を検討している頃でした。リストを眺めていたらウオノラゴンの種族値と技が面白そうだと思い、考察鯖に話を振りました。すると特性すなかきでのダイマックスエースを提案され、調べれば調べるほどこのポケモンの恐ろしさが見えてきて、無事にパーティのエースにのし上がりました。
ウオノラゴンのダメージ感覚を簡単に説明すると、まずH4振りダイマックスギャラドスを、対面からならダイロック→ダイドラグーンで確定で倒せます。ダイドラグーンはH4振りのウォッシュロトムを確定1発で飛ばすことができ、並の高速アタッカーには止めることができません。また、C特化ラプラスのフリーズドライは事前にダイアースを積んでおけばダイマックス時半分程度のダメージに抑えられます。ラプラスはダイマックスするとウオノラゴンの弱点を突くのが困難なため、起点にさえできるのです。
努力値については、ラプラスさえ抜ければどうとでもなるのでこの数値に。技は上記の立ち回りを実現できる3つ+壁対策とダイサイコによる先制技ケアのサイコファングです。選出されないとは思いますが、B特化ドヒドイデにダイサイコで確2を取れます。
草電気等倍で独特な倍速特性を持ち、技範囲も優秀と、もっと早く気づくべきでした。普段のウオノラゴンの印象を捨て去るのに時間がかかりすぎました。
6.ドククラゲ@きあいのタスキ
156(4)-x-85(0)-145(252)-140(4)-152(252)
ひかえめ、クリアボディ
ヘドロばくだん/ギガドレイン/こごえるかぜ/ミラーコート
悩みに悩んだ6匹目。
この枠は元々電気の一貫を切るポケモンを入れてました。しかし、出せない。とにかく選出してからの具体的な立ち回りが思いつかないのと、電気無効は大体草4倍でジーランスを出しにくくなるのが気になってました。そこで電気の一貫は受け入れて、代わりにルンパッパとドヒドイデを少しでもかわせるようにドククラゲを採用しました。
努力値はいいとして、技と持ち物はこれしかないと思います。仲間大会のデータを見る限りではくろいヘドロやみがわりの採用が目立ちましたが、実際当たっても怖さを感じなかったのできあいのタスキを持たせることにしました。
後発に置くには弱いと思いましたが、先発としてならまあまあ仕事してくれたので、悪い選択ではなかったかなと。
・選出について
これというものはありませんが、困ったら先発ラプラス+ジーランス+ウオノラゴンの選出をしていました。電気の通りが良ければウォッシュロトム、ラプラスを温存したい場合はドククラゲを先発にしてもいいでしょう。
・反省点
選出について見てもらえればわかる通り、ラプラス+ジーランス+ウオノラゴンが非常に多く、これが通りにくい構築にはとても不利をとることになりました。特に後発ラプラスや、先発でもダイマックスを切ってくる型は最悪で、為す術なく倒される試合が多発しました。マリルリやミロカロスもしんどく、数の割に勝率は悪かったです。
この事態を補うための残り3匹ですが、特にギャラドスとウォッシュロトムの型は全く適してなかったのが実情です。ギャラドスは特殊への行動保障が乏しく、ロトムは単純にパワー不足で、より強い並びを補完するという視点に欠けていました。つまり構築当初の考えに固執しすぎて、他の要素との兼ね合いを疎かにしてしまったということです。これについては、ウオノラゴンを見出したのが本番2日前というのもありますが、それにしても試すくらいのことはすべきでした。
もし同じルールでまたやるなら、ギャラドスにはソクノのみを持たせて相手を選ばず選出できるようにし、ウォッシュロトムはみがわりやわるだくみを駆使した型を使いたいと思います。
・おわりに
いかがでしたか?
パーティを組んでいると、当初の狙いとは違う動きや勝ちパターンを発見するのは少なくありません。大事なのはどれが最も太い勝ち筋なのか検討し、それに応じて個々の型を練り直すこと。当たり前の話ですが、また1つ勉強になりました。
振るわなかったとはいえ、久しぶりに殴り合いで解決できるポケモンバトルだったので、楽しく考察することができました。今後の公式大会も、食わず嫌いせず近寄ってみようと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。