サムネ用
こんばんは、おでんです。今年もお盆の季節になりました。コロナ禍で帰省もしにくい今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
せっかくのお盆ですので、私も何かしたいと考えた結果、今回の記事を書くに至りました。テーマは彼岸との対話ということで、昔書いた構築記事を振り返るというものです。
今自分が8世代で使っている構築は、いきなり今の形になったというわけではなく、何世代もかけて積み重ねてきたものが基盤であることがしばしばです。そのため、その原点を振り返ることで、改めて自らのプレイスタイルや考え方に気づけるのではないか?また当時よりも増したであろう知識や経験から、改善案を提示できないか?と感じた次第であります。よろしければ最後までお付き合いいただければ幸いです。
・構築のできた時期と経緯
さて、今回対話する構築は下記のものです。
【予選4-3】真皇杯本戦使用構築【後出させ式ジャンケンリレー】
http://atsuatsuoden252.blog.fc2.com/blog-entry-49.html
時は7世代、サンムーンのレーティングバトルS4の最終盤。この2、3日後にS5が始まるという時期です。使用したのはシングルバトル日本一を決めるオフライン大会「第3回真皇杯本戦」です。この構築はどういうもので、どんな経緯でできたのでしょうか。
S4と言えば、JCS予選の参加賞だったホウエン御三家のメガストーンが解禁された最初のシーズンです。いずれも御三家の高い種族値や豊富な技で高い性能を持ちますが、とりわけバシャーモの存在感は際立ちます。使うかどうかは別として、必ず頭に入れておくべきポケモンだろうとまず考えました。
次に、S3の構築記事を片っ端から読みあさりました。準備期間が2ヶ月あったとはいえ、これまでの私は人の構築を参考にした方が明らかに結果が出ていたため、今回もベースとするパーティを探すことにしました。その結果、いくつかのパーティが候補に残りました(↑の記事参照)
いずれも自分の腕で使いこなせそうなパーティで、しかも十分なパワーを持つものです。特にフェローチェとテッカグヤを高く評価し、ウルトラビーストをエースにした積み展開を使おうと、おおまかな方針が決まりました。
その後、仮組みをして持ち込んだオフの使用感を基に改良し、完成しました。
・個別紹介
1.ガブリアス@きあいのタスキ
さめはだ、ようき
183(0)-169(148)-129(108)-x-105(0)-169(252)
じしん/がんせきふうじ/ほえる/ステルスロック
HB:A156ミミッキュのじゃれつく+かげうちを確定耐え
パーティの起点要員です。
普通のタスキアタッカーとしてもステルスロック撒きとしても優秀なポケモンです。7世代が終わった今では信じられないことですが、当時は思ったほどゲッコウガがいなかった(型の開発が今ほど進んでなかった)ため、ガブリアス程度の速さでもまあまあ仕事ができていました。
ゲッコウガには確かに弱いのですが、悪いことばかりではなく、リザードンの上を取れるのは中々魅力的です。リザードンより遅いと、もし初手ニトロチャージから入られたら後続もろとも貫かれるため、対面から安全に処理できるガブリアスの安心感は高かったです。
もっとも、カバルドンや霊獣ランドロス等、当時から数が多いポケモンに弱いのが悩みの種だったので、起点要員はもう1枚用意すべきでした。
2.テッカグヤ@ハガネZ
ビーストブースト、ひかえめ
172(0)-x-123(0)-172(236)-124(20)-113(252)
だいもんじ/ラスターカノン/エアスラッシュ/ボディパージ
BD:ダウンロード調整
パーティの真のエース。後に数多の3タテを成し遂げることになるボディパージ型です。
テッカグヤというポケモンは準伝説相当の高い種族値と優秀な技を持ちながら、その種族値配分が平坦なために強固な役割を持たせにくく、私の場合耐久型はどうにも馴染みませんでした。しかしながら、既にS3の段階でボディパージ型が結果を残していたため、採用に至りました。
特殊型を採用しているのは、後述のバシャーモのバトンタッチを受ける際にいかくの影響を受けないようにするためです。これ以降使ったのは全て物理型なのですが、微妙に対応範囲が違うので好みの問題かと思います(私は物理型が好きです)
優秀な耐性のおかげで、壁がなくとも多くのアタッカーを起点にできるのが強かったです。特に基本選出のガブリアスとバシャーモが呼ぶ霊獣ランドロスやボーマンダはカモであり、この辺に強いおかげで変に選出を歪めることもなくなりました。間違いなくこの構築のMVPです。
3.バシャーモ@バシャーモナイト
かそく、いじっぱり
156(4)-189(252)-90(0)-x-90(0)-132(252)
↓
156(4)-233(252)-100(0)-x-100(0)-152(252)
フレアドライブ/とびひざげり/バトンタッチ/まもる
メガ枠です。なんでダウンロード調整してないんだ...?よりにもよって4nになってる。
わかりやすく強力な要素が詰まっているポケモンです。解禁して最初のシーズンということもあり、少しでも対策の甘いパーティをイージーウィンできればなという狙いもあります。
しかしなんと言っても、バシャーモの売りはバトンタッチです。攻めっけの強いこのパーティにおいて、不利対面で為す術なく倒されることを防ぎつつ、新しい起点を作れるこの技が、採用を決定づけました。技スペが比較的余ってるのですんなり入るのも高評価。
バトンタッチ、当時はテッカグヤの起点作り程度に考えていましたが、今考えるとサイクル選出の要にしても良かったかなと思います。と言うのも以下の3匹の完成度が低すぎて、あまり機能してなかったからです。
4.カプ・レヒレ@ミズZ
ミストメイカー、ひかえめ
175(252)-x-138(20)-135(60)-155(36)-125(156)
ムーンフォース/ハイドロポンプ/ちょうはつ/しぜんのいかり
H:16n-1
S:最速テッカグヤ抜き
HD:C252メガゲンガーのヘドロばくだん確2
C:しぜんのいかり→ZハイドロポンプでH252D4ギルガルド確定。
パーティの問題児の1匹。最高の素材でなんつー異形を作り出したんだ当時の私は。
採用理由自体はちゃんとあるんですよ。ガブリアスでは厳しいカバルドンにメタを張ろうとしたのです。そこまでは良かった。しかしあれもこれもと考えた結果、なんとも中途半端な型が生まれてしまいました。ここまでやるなら起点回避のくろいきりや、逆に起点作りのリフレクターでも入れとけば、バシャーモと合わせてサイクルを回せて面白かったんじゃないかなと思います。
ちなみに、カプ・レヒレ自体はバシャーモのバトンタッチの受け手として中々優秀であり、当時はてっぺきがまだ無かったものの可能性はあったでしょう。本当に型選びに失敗した1匹です。
5.カプ・コケコ@シュカのみ
エレキメイカー、おくびょう
146(4)-x-105(0)-147(0)-95(0)-200(252)
10まんボルト/くさむすび/めざめるパワー氷/ちょうはつ
同じくカバルドンと、ラグラージを倒すために採用しました。雨補正たきのぼりで落ちる模様。
ガブリアスやバシャーモといった中速のポケモンだけでは足らないのは分かります。積む暇がない時のために高火力アタッカーが欲しいのも理解できます。でもそこにカバルドンへの憎悪が混じった結果、こちらもなんとも微妙なことになってしまいました。構成そのものは悪くないけど、パーティに合ってるかと聞かれるとNoでした。
ちなみに、私が組む積み展開は受け駒に弱いのですが、後にカバマンダガルドに入ってくるめいそう+デンキZ型だったら活躍のチャンスは増えていたかもしれません。
6.ウツロイド@とつげきチョッキ
ビーストブースト、おくびょう
185(4)-x-67(0)-179(252)-151(0)-170(252)
ヘドロウェーブ/パワージェム/アシッドボム/めざめるパワー炎
当時の私はこれで本気で受けループに勝てると思ってたらしいですよ。ちょっと何言ってるか分からないですね...。
アシッドボムの存在に目をつけ、1匹倒せば特性で全抜きいけるやん!なら何故拘束技を持たせなかったのか。USMの教え技でしめつけるを習得しますが、当時はそれすらないので完全に的外れな考察をしてました。カプ・レヒレとカプ・コケコは百歩譲って採用理由を満たしているけど、ウツロイドに関してはそれすらできてなかった...。
・選出について
基本は先発ガブリアス+テッカグヤ+バシャーモで、後は臨機応変に。メガ枠がバシャーモだけなのでなるべく選出し、ガブリアスやカプ・レヒレを使った対面的な動きが多かったです。
・何が問題だったのか
冷静に見れるようになった今なら、ちゃんと言葉にできます。まず、基本選出は強いです。当時の自分のベストは尽くしていました。とはいえそれで全てに対応できるわけではなく、特に先発ガブリアスの不利を取る相手と対面してしまうと厳しいものがありました。具体的にはゲッコウガのような高速+先制技持ちアタッカー、カバルドンやポリゴン2のような高耐久ポケモン等です。
2つ目に、これは積み展開の宿命とも言うべきか、ミミッキュに弱い点です。基本選出のうちまともにやり合えるのがテッカグヤくらいで、それもゴーストZ持ちには安定しません。S4と言えばABミミッキュが出てきた頃と記憶してますが、どんどん多様化していくミミッキュの型に対応できるポケモンが不在だったのです。
3つ目に、受け構築に弱い点です。これは先発ガブリアスのみならず、積みエースのテッカグヤも積み技で火力を上げてないのが響いてます。バシャーモにつるぎのまいを入れれば多少マシになりますが、バトンタッチを入れる以上技範囲には期待できません。となれば、受け崩しの枠が必要になりますが、それがウツロイドになってしまったのが問題でした(本戦では受けループに当たり、完敗しました)
以上の3点を解決できないまま本番を迎えてしまったため、勝ち越すことはできましたが予選抜けはできない程度の完成度に留まりました。
・後の世代の改良
ここまでで終わるとただの構築記事なので、その後についても追っていきます。
http://atsuatsuoden252.blog.fc2.com/blog-entry-52.html
本戦直後に始まったS5で最終的に使ったパーティです。この構築の反省を基に、ゲッコウガに強くて強烈な削り能力を持つガマゲロゲを筆頭に、サイクルカットをできるゲンガーや、高い継戦能力を持つボーマンダを採用しました。この変更が功を奏し、最終的にレート2000を達成しました。
以下はUSM環境です。
http://atsuatsuoden252.blog.fc2.com/blog-entry-63.html
ガブリアスが苦手な高耐久ポケモンを呼び込みつつ、しかも大きく削れる点を買ってミミッキュを採用しました。この時は対面の要素を取り入れたため、まだオマケ程度の使い方です。S8中盤にレート1850が最高なため、結果そのものは奮いませんでした。
http://atsuatsuoden252.blog.fc2.com/blog-entry-77.html
ミミッキュの型をより起点作りに寄せ、積み技を安全に使うことを意識しました。真皇杯の地区予選でベスト16となり、そこそこの形にはなったと思います。
http://atsuatsuoden252.blog.fc2.com/blog-entry-100.html
http://atsuatsuoden252.blog.fc2.com/blog-entry-102.html
最終的に「積み展開におけるミミッキュ」を確立させ、積みエースも高い継戦能力のポリゴンZを採用。メインで使った真皇杯の地区予選では奮いませんでしたが、7世代最後のオフでは4位で終わることができました。
成績自体は浮き沈みありましたが、最終的には当初の課題を一通り解決できたかなと思います。受け構築に対してはまだ薄い所がありますが、そこは割り切りました。多少技をいじる余地はあったかなとは感じます。例えばゲンガーのきあいだまはとんど使わないので、ラッキー等のノーマル高耐久に刺さるどくどくでも良かったなと。
・終わりに
結果的に、昔の構築の粗探しだけで終わってしまった...。改善点を挙げる気で書いていたのですが、思ったより昔の自分はパーティの欠陥に対して真摯に対応していたようです。
話を現代に戻すと、ガラルでは3ヶ月ごとにルールが変わり、1つのパーティをベースに長期間改良を重ねるといったスタンスは困難になっています。このような短い期間でさえ、こうした経験を積み重ねることで、自身の成長を実感できたり、ルールの変化にも素早く適応できる素地が養われていくのだと、私は思います。特に8世代から始めた人は、1度やってみることをお勧めします。最初に組んだパーティと最後に組んだパーティを見比べると、完成度の違いに驚きますよ。
長くなりましたが、以上になります。最後までご覧頂き、ありがとうございました。
・おまけ
本戦のパーティの試作段階(本番2週間前くらい)
これ以降、ガルミミとは長い付き合いになるのですが、それはまた別のお話。