こんばんは、おでんです。今回はランクバトル(ダブル)S21で使用した構築を紹介します。何かの参考になれば幸いです。
TNおでこ:30勝13敗、レート1756
イベルタルのまもるは強い。
・構築の経緯
さて、シリーズ10はシリーズ8同様に禁止級を1匹使うことができます。ただし大きな変更点としてダイマックスが禁止になりました。まずはこのルール変更が及ぼす影響を考えることにしました。
ダイマックスという仕様は、一時的な耐久及び火力の増大、全ての攻撃技に追加効果を付与、ねこだまし等の行動制限の無効が主な柱です。耐久については体力満タンでダイマックスした時に最も大きな効果を発揮できることから、主に先発からのダイマックスで逃げ切る戦法が普及しました。火力の増加もそれを後押ししています。また、追加効果についても総じてダメージレースを有利にするものでした。上記の点と、特にねこだまし無効は相性抜群だったと思われます。
では、そのダイマックスがなくなればどうなるか？耐久も火力も額面通りになることで、強引な対面処理は難しくなります。ダイマックス技の追加効果を失う上、ねこだましが通るようになるのもこの傾向に拍車をかけることでしょう。そのため、8世代ではやや下火になっていた「中速ポケモンと多様なS操作、積み技を搭載したスタン(以下、中速スタン)」にチャンスがあるのではと考えました。
中速スタンは、過去作ではガルーラスタンを筆頭に、テテフグロスやボーマンダスタン等の実績があります。当時と比較しても(ダイマックスを抜きにしても)攻撃的になった現代ですが、禁止級の導入によりカバーできると判断し、パーティの考案を始めました。
第一に目をつけたのは、カイオーガ@たべのこしを軸にしたコントロールです。めいそうを持たせることで多くの特殊アタッカーを屈服させようとしましたが、打点をカイオーガに依存しすぎたこととカイオーガ自身の火力不足により頓挫しました。この他に化身トルネロス等を採用した案も試しましたが、最終的に断念。
カイオーガ軸の流用で試したのがイベルタル軸です。イベルタルはシングルやGSルールにてその実力を感じており、攻守に優れた柔軟性を持っています。このパーティも数試合で手放すことになりますが、そのポテンシャルの高さからイベルタルの採用を決定しました。
その後、パーティに必要なものを取捨選択していき、冒頭のパーティができあがりました。ザシアン全盛の環境の中で、そこそこ遊べるイベルタル軸ができたと思います。
・個別紹介
1.イベルタル@グラスシード
ひかえめ、ダークオーラ
201(0)-135(0)-116(4)-201(252)-150(252)-119(0)
バークアウト/ふいうち/デスウイング/まもる
今回の禁止級です。めいそうがあれば最強だった。
イベルタルというポケモンは、シリーズ8ではそこまで注目されていませんでした。しかしGSでは環境の一角を形成するほど認知されており、バドレックス黒やカイオーガが猛威をふるうシリーズ10ではチャンスがあると考えています。
今期におけるイベルタルの売りで真っ先に挙げられるのは、使い手を大幅に減らした飛行技です。ダイジェットが不在の環境で、伝説戦の常として草タイプが使用率上位に並ぶとあれば、デスウイングはいつも以上に光ります。草タイプ以外にもウーラオスに通るのが魅力的(余談ですが、バークアウトの合間にデスウイングを挟むと、相手がウーラオスを後投げするタイミングに刺さってそのまま落ちていく現象が多発しました)
次に注目すべき点はバークアウトです。レジエレキのエレキネットがメインウエポンに近い扱いを受けてますが、それと同じことを悪タイプでできてしまうのは非常に強力です。1回当てるだけでもデスウイングで回復が間に合うようになる相手は少なくなく、味方の積みの起点にもなったりとスキがありません。
これらの強みを引き出すため、持ち物はグラスシードを採用しました。初めはとつげきチョッキだったのですが、まもるを使えないことと味方の特殊耐久が全く足りないために代替案として最初にミストシードをチョイスしました。その後カプ・レヒレがパーティを外れる際にグラスシードに変更という具合です。イベルタルのまもるを切ってると思われる相手は想像以上に多く、ねこだましケアやトリックルームのターン消化等便利でした。
技については採用理由のバークアウト、デスウイング、まもるは確定で、最後にふいうちを選びました。バークアウト+ふいうちで並のレジエレキは落ちる他、そもそも特性ダークオーラのおかげでA182ウーラオスと同等の火力が出るので入れない理由がありません。また、努力値については最大限特殊アタッカーに強くなるようCD振りとしています。本当はウーラオスのすいりゅうれんだ2耐えもしたかったのですが、B全振りが必要なので諦めました。
総じて、試合展開に応じて柔軟に動かし方を変えられる点が優秀でした。USMのサンダーを思い出す使い心地だと思います。
2.レジエレキ@じしゃく
ひかえめ、トランジスタ
165(76)-x-121(244)-152(148)-71(4)-225(36)
10まんボルト/エレキネット/ボルトチェンジ/まもる
HB:A182連撃ウーラオスのすいりゅうれんだを最高乱数3回以外耐え
S:最速フェローチェ+2
C:10まんボルトで無振りカイオーガを大体一撃
とりあえず欲しくなるポケモン。マークが厳しすぎてほとんど出せなかった。
このパーティではおいかぜを採用しておらず、トリックルームはピーキーなツンデツンデが持っているということで、普段から使えるS操作や先制技の需要が高いです。またカイオーガ軸に対して十分な打点も重要で、それらの要求を満たせるレジエレキが自然とパーティに入りました。
このポケモンは使用率トップクラスのガオガエンやゴリランダーと比較して、耐久が心もとないです。そのため相手のおいかぜや不意の妨害に崩されやすく、あまり選出しませんでした。ザシアン軸さえおいかぜの採用が増えているように感じていたため、安易な選出を避けられてかえって良かったと思います。ゴリランダーに簡単に縛られるのが良くない。
それでもいるといないとでは違うため、採用は間違いではなかったです。
3.ランドロス(霊獣フォルム)@オボンのみ
ひかえめ、いかく
196(252)-148(0)-131(164)-149(84)-101(4)-112(4)
だいちのちから/ヘドロばくだん/まもる/とんぼがえり
HB:A244ザシアンの±0きょじゅうざんをオボンのみ込で確3
C:H199D136ザシアンをだいちのちからで確2
S:-1段階の最速100族抜き
A182ウーラオスのすいりゅうれんだをオボンのみ込で確定耐え
パーティの過労死担当ポジション。等倍なのにザシアンと殴り合うはめに。
7世代の頃にガルーラスタンを使ってたのですが、今思うとガルーラ以外のポケモンがほとんど格闘耐性を持ってることに気づきました(ヒードランやカミツルギは上からワンパンしてくるリザードンや雨パ意識)。そのため、イベルタル軸ではイベルタルの苦手なものを取り巻きで押さえ込むのが重要です。
ランドロスはその中でも電気とザシアンを見ることができる貴重ないかく要員です。ゴリランダーを採用しているので特殊型にし、大事に扱うためにまもるを採用。かなり物理耐久に振ったことで、受け出しも安定するようになりました。ヘドロばくだんだけは要検討ですが、全体的に使用感は悪くありません。
ダブルのランドロスはあまり扱いが得意ではないものの、少しだけ歩み寄れた気がしました。
4.ゴリランダー@とつげきチョッキ
いじっぱり、グラスメイカー
203(220)-182(164)-111(4)-x-105(116)-106(4)
グラススライダー/ねこだまし/とんぼがえり/はたきおとす
HD:C217バドレックス黒@いのちのたまのダブル補正アストラルビットをグラスフィールド込で確3
HB:A222ザシアンの+1きょじゅうざんを確2
A:フィールド補正グラススライダーで無振りカイオーガを87.5%で一撃
ガラルのメガガルーラ。ランドロスほどではありませんが酷使されがち。
いわゆるADガルーラを参考に、行動保証と火力をギリギリのところで両立させる調整にたどり着きました。他の人のゴリランダーはどんな調整なのかな。
技はオーソドックスなもので、はたきおとすはパーティ全体で打点に乏しいポリゴン2を崩すのに外せません。イベルタルのおかげで素でも威力87相当なため、連打しやすいのもグッド。
10まんばりきが欲しい場面も結構あるのですが、切る技がないのとウルガモスのサポートが優先なのでいじる余地はほとんどありません。多分来月も同じ調整になるでしょう。
5.ウルガモス@バンジのみ
ひかえめ、ほのおのからだ
192(252)-72(0)-112(212)-173(20)-126(4)-123(20)
ほのおのまい/ギガドレイン/まもる/ちょうのまい
H:12n,16m
HB:A182連撃ウーラオスのすいりゅうれんだをマゴのみ込で確定耐え
C:余り
D:余り
S:+2で最速スカーフウーラオス+2
秘密兵器。種族値が！足りない！！
ウルガモス、正直舐めてました。速さを重視すると耐久が、耐久を厚くすると速さがそれぞれ犠牲になります。今回はザシアンやウーラオスの前で動きやすいように耐久厚めにしましたが、その効果は絶大でした。
特に相手がザシアン軸の時に後発から出し、ゴリランダーとランドロスでサポートしながら2回積みます。これで大体のポケモンが圏内に入る上、ギガドレインで失った体力を取り戻すことができます。水の一貫性が大きなパーティにおいて、攻防一体の動きができるのはとても魅力的。
元々はドレインキッス+めいそう型のカプ・レヒレだったのですが、すばやさも上げられるウルガモスへの変更は大正解でした。特性ほのおのからだで焼きまくったけど許してね。
6.ツンデツンデ@ぼうじんゴーグル
ゆうかん、ビーストブースト
168(252)-201(252)-231(0)-x-122(4)-16(0)
ジャイロボール/ボディプレス/ワイドガード/トリックルーム
S:個体値0
人から預かってるポケモンです。いつでもお返しできるように現行世代に輸送しました。
何の変哲もないツンデツンデです。本当はメタグロスを使いたいのですが、トリックルームもおいかぜもないパーティではあまりにも受け身なため渋々採用しました。主にゼルネアス軸相手に投げ、たまにザシアン軸にも選出します。
パーティが全体的に中速で固まっているため、トリックルームによる切り返しが上手く働きやすいです。ツンデツンデ自身も十分な火力を持ち、特性によって貴重な格闘打点を振り回すこともできます。ガオガエンのいかくが通るのが痛いものの、トリックルーム抜きにしても悪くないなと思いました。
ちなみに、いわなだれはあんまり使う相手を見いだせなかったので泣く泣く外しました。カイオーガが重すぎるからね、仕方ないね。
・選出について
具体的にこれと決めているのはないのですが、こういうのが多いなというのを挙げときます。
特にザシアン軸にはこれが1番安定します。ゴリランダーとランドロスを出し入れしながらイベルタルで対面処理やバークアウトをばら撒き、頃合を見計らってウルガモスを着地。そのままちょうのまいを2回(相手のウーラオスの持ち物しだいで1回)積んで全抜きを目指します。ガッツリ物理耐久に厚くしたおかげで積む隙を作るのは結構簡単なので、邪魔になるレジエレキやガオガエンの処理速度が勝敗を分けます。
特にトリックルームを展開してきそうな相手に使います。グラスシードといかくを絡めることでイベルタルの場持ちがかなり良くなります。ツンデツンデが攻守において重要なため、こちらをゴリランダーの代わりに先発にするのも一考。
先発イベルタル+ゴリランダー
後発レジエレキ+何か
カイオーガ軸に対してはこれ。カイオーガ以外に水打点がないことが多いため、ツンデツンデを選出して後半のトリックルームで制圧しても良し。ランドロスでレジエレキや物理アタッカーを抑止しても良しと、気分で後発を決めます。トルネロスがいたら優先的に落とし、おいかぜが切れてからレジエレキを出しましょう。
・苦手な相手
エンテイ...グラスシードの採用でマシにはなったものの、せいなるほのおの一貫性が大きいです。先発ならイベルタルで処理できますが、特に後発スカーフは最悪です。
コジョンド...エンテイほどではありませんが、いかくが入らない上にきあいのタスキでワンパンできないのが辛いです。よく使われる相方の禁止級がバドレックス黒なのが不幸中の幸い。
モロバレル...キノコのほうしの一貫性が大きいです。粉技耐性2匹に加えてイベルタルとウルガモスがいるとはいえ、出されると困ります。
・おわりに
以上になります。
じっくり相手の情報を引き出しながら、後半に捲るタイプのパーティはしばらく触ってなかったので、今の形になるまでだいぶ手間取りました。しかしその分考える楽しみを味わえて、悪くない1ヶ月でした。来月は訳あってシングルを少し頑張ろうと思いますが、こちらのパーティも改良を続けていきたいです。
最後までご覧頂きありがとうございました。お問い合わせは@atsuatsuoden252まで。
・おまけ(パーティの変遷の詳細)
本格的なイベルタル軸第1弾。かなり守りに寄っているのと、S操作がじならししかない貧弱ぶり。全人類イベルタルにねこだましを使ってくるのにもキレてました。なお、ナットレイがレジエレキになる亜種も考えてました。
イベルタルにシード系を持たせ始めました。ライコウとメタグロスの枠はギルガルドだったりドータクンだったりゴリランダーだったり、コロコロ変えてます。
だいぶ今の形に近づいてきました。カプ・レヒレの回復性能とイベルタルの物理耐久とエンテイの小回りに不満を感じ、これらを一挙に解決できる策を考えてました。
ウルガモスを採用した形。カプ・レヒレと違って積んだら相手の上を取れること、グラスフィールドとギガドレインの相性がいいこと、ザシアンを起点にできる点が抜群に噛み合ってました。
