こんばんは、おでんです。今回はランクバトル(ダブル)S22で使用した構築を紹介します。何かの参考になれば幸いです。
そんなに変わってないようだが...?
※先月のパーティ
・構築の経緯
さて、先月はザシアンに圧倒的不利なイベルタル軸で潜ったわけですが、改めてイベルタルがザシアンに不利な理由を考えるとしましょう。
イベルタルは、HOMEのデータを見れば分かりますが、とつげきチョッキの採用が半分を占め、必然的にまもるの採用率は下がります。また、攻撃技についてはバークアウト、デスウイング、ふいうちが定番で、これにイカサマを加えた4種がメジャーです。イカサマはそこそこザシアンに通るものの、この技は特にとつげきチョッキ採用時の技であり、まもるのないイベルタルがザシアンの前で使うのは難しいのが実情です。そしてタイプ相性も最悪で、これがイベルタルの台頭を妨げているのです。
ザシアンばかり取り上げられますが、一般枠にも強敵は少なくありません。その筆頭はレジエレキであり、イベルタルがとつげきチョッキを持つ理由のひとつだと思われます。その他ではバドレックス黒軸にいるコジョンドやエンテイのような特性せいしんりょく持ちも厳しいものがあります。これはひとえにまもるで様子見ができないこと、それゆえねこだましのえじきになりやすいこと、そして特殊耐久ばかり注視され物理耐久が軽視されていることが原因だと、私は考えました。
そもそもイベルタルというポケモンは、強いポケモンにはとことん強いポケモンです。バドレックス黒は逆立ちしてもイベルタルに対面から勝つことはできないでしょう。しかし取り巻きに倒されているようでは世話ありません。役割を遂行するまで場に居座れる耐久を確保しながらも、まもるを採用することはできないか?この考えの結果、初めにミストシードを、後にグラスシードを採用することにしました。ここまでが先月のパーティです。
グラスシードを持たせたイベルタルは、これまでとは比較にならないほど物理アタッカーとの打ち合いに強くなり、しかも従来の役割対象である特殊アタッカー達にも強く出られることから、格段に使い勝手が向上しました。とつげきチョッキと比較してレジエレキやカイオーガは苦しくなりましたが、取り巻きでカバーできる範囲です。
しかしながら、努力値については再考の余地がありました。と言うのもとつげきチョッキ型のCD振りのまま運用しており、グラスシード発動時は良いのですがそう出ない時の弱さが目立ちました。これを解決するため、イベルタルのC種族値131に注目し、ひかえめBD振りを考案し、この型のイベルタルをパーティの中心に据えることを決定しました。非常に長くなりましたが、ようやく軸が決まりました。
軸が決まったら、次は取り巻きです。とつげきチョッキのないイベルタルの懸案であるカイオーガとレジエレキに強く出られるゴリランダーとレジエレキを最優先とし、更に霊獣ランドロスも採用しました。これらは単なる相性補完のみならず、「とんぼがえり+ボルトチェンジ」による対面操作と削りや、特性いかく+グラスシードによる更なる物理耐久の確保といった点でも噛み合っています。
上記の4匹を基本として試運転した結果、ザシアンの攻撃に受け出せるポケモンと、ゼルネアスやガオガエンに大きな打点を与えられるポケモンが必要だと判断しました。前者についてはレジスチルやギルガルドが候補に挙がりましたが最終的にメタグロスに。後者はウツロイドを抜擢しました。どちらも、瞬間的に高火力を出せるポケモンであり、やや打点不足な基本の4匹を補完するのにうってつけでした。
以上でパーティが完成しました。
・個別解説
1.イベルタル@グラスシード
ひかえめ、ダークオーラ
205(28)-135(0)-140(196)-170(28)-150(252)-120(4)
バークアウト/ふいうち/デスウインング/まもる
HB:A182連撃ウーラオスのすいりゅうれんだ3発を大体2回耐え
パーティの柱。関係ないけどGS勢のイベルタルの評価は高めな気がする。
先月の使用感を元に、より柔軟な選出や立ち回りを実現するため、物理耐久を大幅に高めました。グラスシードを合わせることで、例えばA177コジョンドのインファイトを最高乱数3連続以外ほぼ耐える化け物になります。いかくも絡めればさらに磐石。
ここまで耐久に振ると火力に不安を覚えるかもしれませんが、そこはさすがの禁止級。性格補正とわずかな努力値のみで無補正サンダーと同等の数値を確保できました。悪技については特性ダークオーラの恩恵があるため、いまだ削り技としての打点があります。さすがに特化と比較すると85%程度のダメージですが、耐久にほぼ全振りしてこれなら悪くないでしょう。
総じて、とつげきチョッキよりも柔軟性に富む、使いやすい型になりました。
余談ですが、S22ではグラスシードはHOMEのデータに無かったのですが、S22ではミストシードやするどいくちばしよりも使われるものになりました。布教の甲斐があったかな。
2.ゴリランダー@とつげきチョッキ
いじっぱり、グラスメイカー
203(220)-182(164)-111(4)-x-105(116)-106(4)
グラススライダー/ねこだまし/とんぼがえり/はたきおとす
HD:C217バドレックス黒@いのちのたまのダブル補正アストラルビットをグラスフィールド込で確3
HB:A222ザシアンの+1きょじゅうざんを確2
A:フィールド補正グラススライダーで無振りカイオーガを87.5%で一撃
前期からの続投組。今期は結構マークが厳しかったです。
レジエレキやカイオーガを見るために採用したのですが、レジエレキはともかくカイオーガ相手に役割を果たせない試合が増えてしまいました。と言うのも初手にアマージョ+トルネロスで合わせられることが増加し、集中されて落とされる機会が目立ったのです。このパーティで唯一の水耐性を持つゴリランダーを先発にした際の引き先の無さが、ここで露呈しました。ポケモン自体は相変わらず強かったですが、取り巻きに恵まれなかったということです。
前期からの変更点としては、ドラムアタックを採用しました。これにより更に技範囲が狭くなりましたが、アマージョの後投げに怯えることなくカイオーガを叩けるようになりました。上記の通り上手くはいかなかったのですが。
3.ランドロス(霊獣フォルム)@オボンのみ
ひかえめ、いかく
196(252)-148(0)-131(164)-149(84)-101(4)-112(4)
だいちのちから/サイコキネシス/まもる/とんぼがえり
HB:A244ザシアンの±0きょじゅうざんをオボンのみ込で確3
C:H199D136ザシアンをだいちのちからで確2
S:-1段階の最速100族抜き
A182ウーラオスのすいりゅうれんだをオボンのみ込で確定耐え
前期からの続投組。ガオガエンとどっちが良かったのかは最後までわかりませんでした。
電気耐性は過剰なくらいがちょうどいいということで、イベルタルの苦手なレジエレキに受け出しできる地面タイプの需要は相変わらず高かったです。またザシアンと殴り合いに持ち込んだり、飛行タイプを活かして自分のレジエレキとの補完もできていました。間違いなく便利なのですが、しかし過労死も目立ちました。
本来なら真っ先に採用されるであろうガオガエンの代わりに使うため、鋼タイプへの打点を期待していますが、ナットレイはどうにもならないのが非常に困りました。またモロバレルへの対応も問題で、サイコキネシスを採用してなんとかしましたが歪と言わざるを得ません。かといってこのポケモンを抜くなど考えられず、構築が行き詰まる原因の1つになったと感じています。
次に使う時は根本から型を練り直して、これらの課題を克服したいです。
4.レジエレキ@じしゃく
ひかえめ、トランジスタ
165(76)-x-121(244)-152(148)-71(4)-225(36)
10まんボルト/エレキネット/ボルトチェンジ/まもる
HB:A182連撃ウーラオスのすいりゅうれんだを最高乱数3回以外耐え
S:最速フェローチェ+2
C:10まんボルトで無振りカイオーガを大体一撃
前期と変わらず。少しこのポケモンの使い方がわかりました。
イベルタル軸は大火力を出せるポケモンが少なく、必然サイクルを回す試合が増えていきます。そうした展開において、初手のボルトチェンジで負担をかけつつ温存し、後半に撃破を狙う動きを目指します。H振り程度のザシアンならボルトチェンジ+10まんボルトで結構高い確率で落とせるため、対ザシアンではランドロスやメタグロスと並んで重要なコマとなります。
努力値に関しては、物理耐久も欲しいのですが特殊耐久があればという場面も少なくなかったため、変えても良いかなと思いました。あと持ち物も対ザシアン性能のじしゃくと対カイオーガ性能のきあいのタスキが選択肢にあり、こちらも候補かなと。
5.ウツロイド@パワフルハーブ
おくびょう、ビーストブースト
193(68)-x-69(12)-169(172)-152(4)-170(252)
メテオビーム/ヘドロばくだん/パワージェム/まもる
C:ビーストブーストでSが上がるように調整
お手軽ばくだんいわ。ガオガエンに明確な大打撃を与えられる貴重な枠です。
イベルタルというポケモン、使うと分かるかと思いますがミラーがまあまあめんどいです。そんなお悩みを取り巻き共々ぶち抜くとともに、天敵のゼルネアス軸への対策としても機能するこのポケモンは、ザシアンに更に弱くなるという欠陥に目をつぶるほどの価値があると考えています。
このポケモンを選出する時は、大体「このポケモンを倒して欲しいな~」というゲームプランができると思います。ですので、安全に仮想的と対面させるのが肝になります。ついでに岩の一環を作れるとベター。ウルガモスとかを隣に起きたいんですけど、枠がなさすぎる。
技と努力値は至って普通のものです。このパーティにトリックルームは必要ないのと、パワージェムが必要な場面があまりにも多すぎました。また、特性でSが上がるため、パワフルハーブを温存しながら相手を倒せれば広い範囲を縛ることができます。
このポケモンを使う場合、しつこいくらいのザシアン対策をおすすめします。実際岩の一環ができているパーティは少なくない印象なので、それをする価値はあると思います。ただし、思ったほど大火力というわけではないので注意しましょう。
6.メタグロス@じゃくてんほけん
いじっぱり、クリアボディ
187(252)-200(212)-150(0)-x-110(0)-96(44)
アイアンヘッド/じならし/バレットパンチ/まもる
S:大体のガオガエン抜き
※ガオガエンのSラインのアンケート結果
ゆるぼ
— おでん(四浪) (@atsuatsuoden252) 2021年9月14日
ダブルで今(シリーズ10)使ってるガエンのSライン
お手軽大火力マン。無限に技スペが足りない以外は便利です。
7世代のGSルールでは、イベルタルのお供にソルガレオやメガメタグロスの採用は一般的でした。イベルタルの苦手なフェアリーや岩にメタグロスが、逆にメタグロスの苦手な炎や地面、ゴーストをイベルタルで見られます。また、イベルタルがバークアウトをばら撒く都合、メタグロスの不安な特殊耐久を補佐でき、堪らず使った弱点の物理技でじゃくてんほけんの起点にしてしまいます。
単純な構成ながらこれが中々強く、特性クリアボディや意表を突くバレットパンチの存在など、パーティに足りない安定感や詰めの部分を支えてくれました。特にイベルタルがガオガエンに止められた時、Aランクが下がったふいうちで強引にじゃくてんほけんの起動に利用できるのが便利です。
言うまでもなくゼルネアス軸への駒になる他、ザシアン軸でも結構手広く相手にできるので、体力管理は大事にしましょう。特にゼルネアスは、取り巻きの炎をウツロイドで突破してからメタグロスを通すのが肝要です。
・選出について
1.対ザシアン
レジエレキのボルトチェンジから試合を始めます。ランドロスとメタグロスはどちらもザシアンと殴り会えるのですが、中途半端に削られると上から倒されてしまうため、片方はギリギリまで温存します。相手のレジエレキも厄介なので、ランドロスが若干優先度高め。
2.対カイオーガ
先発イベルタル+レジエレキorゴリランダー
後発ゴリランダーorレジエレキ+ランドロスorウツロイド
わりと最近まで初手ゴリランダーを推してましたが、上記の有様なので初手レジエレキの方が良いかなと感じつつあります。トルネロスに殴られても致命傷ではありませんし、カイオーガがスカーフでもゴリランダーに引く選択肢が使えます。
ナットレイの処理ルートがTODか、ランドロスとイベルタルでゴリ押しの2択しかないので頑張ります。でもサンダーがいるとウツロイドが必要になるので、その時は潔く降参します。
3.対ゼルネアス
先発イベルタル+ウツロイド
後発メタグロス+ゴリランダーorランドロス
ウツロイドでどれだけ取り巻きを倒せるかに左右されます。
イベルタルはひたすらバークアウトをばら撒きゼルネアスを弱体化し、ウツロイドは隣のポケモンをガンガン殴ります。メタグロスは最後まで温存し、最後にゼルネアスが残ったタイミングでぶつけます。
4.その他
先発イベルタル+ゴリランダーorレジエレキ
後発レジエレキorゴリランダー+ランドロス
この4匹が1番安定します。イベルタルのバークアウトやランドロスのいかくで然るべきポケモンの行動を保証し、優位に試合を進めます。イベルタルがすてゼリフやバークアウトの的になりやすいため、放置されそうな場合はグラスシードの効果を捨てることも大事です。
・終わりに
以上になります。
前期からの改良を目指して色々手を加えた結果、やや歪んだパーティになってしまったのが正直なところです。説明もその分不明瞭な部分が多く、どこから直していけばいいのやらとお手上げ状態です。
この記事を読んで、何かの参考になれば幸いです。最後までご覧頂きありがとうございました。質問は@atsuatsuoden252まで。