兵どもが鍋の跡

お残しは許しまへんで。

【剣盾シングル(シリーズ9)】おでんの対面構築ver.ガラル【第20回ちゃも&びぶおふベスト8】

 

こんにちは、おでんです。今回は「第20回ちゃも&びぶおふ」に参加して、3年ぶりにシングルオフの予選を抜けられたのでパーティを紹介します。剣盾も残り僅かですが、何かの参考になれば幸いです。

俺の剣盾が詰まってる。

 

 

・構築の経緯

剣盾シングルは難しい。3年間ずっと感じていました。しかし理由をはっきりさせることはできませんでした。

ところが9月、公式大会「チャンピオンリーグ」の開催が発表されました。せっかくなので参加しようと考えパーティを組むうちに、難しいと感じる理由が段々わかってきました。

剣盾の華であるダイマについて、どう使うかの具体的なイメージを未だ掴めていなかった。これが大きな問題でした。普段ダブルをやる身としては、ダイマ枠の隣にサポート役がいるのは当然のことで、これにより初手ダイマからの戦略を立てるのが容易でした。しかしシングルでは場の1匹で盤面に対応しなくてはなりません。当然、初手ダイマが最適解にならない展開も数多あります。そんな環境において、ダイマしないと弱いポケモンや、ダイマしても時間稼ぎにしかならないポケモンを、今の自分が使いこなせるわけがないと、ようやく気づくに至ったのです。

上記の内容を言い換えることで、自分に適したパーティの方針が遂に見つかりました。「誰がダイマを切っても強い」かつ「誰もダイマに依存しない」ことです。

前者について、ダイマというものを「不利対面を強引に有利対面に変えるもの」と定義し直しました。となれば、有利な盤面で使っても過剰戦力ですし、勝負所で切りたいもの。一方で、好きなタイミングで切れるようにするためには、後者で示したように普通に戦えることも重要です。ダイマしないと弱いポケモンは、それだけで選出やプレイングを大きく制限し、相手に悟られやすくなるからです。

この方針に合致するのはどんなパーティでしょうか?受け構築は一見良さそうです。しかしダイマは優秀な補助技を3ターン封じる諸刃の剣であると共に、追加効果や威力アップにより攻撃側に有利な設計です。私は受け回しを使うのは好きですが、自身の練度が追いつかない状態で無理に使うべきではないと判断しました。

では積み展開?それもノー。積むタイミングで大きなダメージを受け、ダイマの耐久アップをフルに活かせません。特に積み技のターンにダイジェットを合わせられると目も当てらません。また、ダイマは耐久を一時的に倍にするのに対し、ほとんどの積み技は2段階までしか上昇しません。これは積み技の旨味を消し去るには十分すぎるものです。言い換えれば、起点役や1ターンのリスクと引き換えに得られるものが以前ほどではなくなっているのです。

ここまで来れば、残るは(ギミック系統を除けば)対面構築のみ。対面構築の悩みである出し負け時のケアに、ダイマは力を発揮します。また、対面性能=高い行動保証・攻撃範囲は、相手のダイマを枯らしたり削るのにも有用です。個人的な理由として、対面構築は5世代の頃から(当時は意識こそしてなかったものの)使い続けていたので、慣れているのも大きいです。

問題はポケモンと型の選定です。チャンピオンリーグで使用したパーティを下敷きに、シリーズ9環境向けに調整を加えて完成しました。全員がダイマを使わずとも使いどころがあり、逆に全員ダイマエースとして機能する、個人的にはとても満足のいく仕上がりになったと思います。


・個別の紹介

1.ドラパルト@とつげきチョッキ

ようき、すりぬけ
163(0)-172(252)-95(0)-x-96(4)-213(252)
ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/とんぼがえり/ふいうち
BD:ダウンロード調整

ドラパルトです。無難に強い。

チャンピオンリーグではこだわりスカーフを採用していましたが、止められるポケモンが多いシリーズ9では撃ち分けができるとつげきチョッキに変更しています。

持ち物の変更に伴い、パーティに不足している先制技としてふいうちを採用しています。これによりダイマ時は相手のABCDを下げることが可能になり、後続との連携を意識した技選択ができます。

ダイマをしなくても、その速さとパワーと耐久のバランスでアタッカー同士での殴り合いには結構強かったと感じています。とんぼがえりで削りながら後続の着地も可能と、とにかくこのポケモンを使う際は味方との連携が重要だなと思いました。

 

2.サンダー@アッキのみ

ひかえめ、プレッシャー
191(204)-x-106(4)-189(212)-111(4)-131(84)
ほうでん/ぼうふう/はねやすめ/かいでんぱ
H:16n-1
HB:A168エースバーン@いのちのたまのキョダイカキュウをアッキのみ込で確3(ダイアタック+キョダイカキュウも耐えられる)
C:ダイジェット(140)でH310D96エースバーンを確2
S:残り、準速ウオノラゴン抜き、+1で準速ドラパルト抜き

サンダーです。とても強い。

持ち物も、技構成も、努力値も、よくあるもの。しかしアッキのみ持ちにHCS振りの組み合わせは稀な存在だと考えています。これはサンダーを受け駒ではなく、あくまでも高い対面性能を持ったアタッカーと評価しているからこそのものです。

具体的な場面として、こちらの先発が相手の物理技を誘いながらサンダーに引き、安全にアッキのみを発動させます。ここではねやすめを1回押すことで、相手が退こうが突っ張ろうが万全な状態をキープできます。ここからはダイマを切るもよし、ダイマを温存して相手の裏含めて負担をかけるもよし。対面構築特有の出し負けた際の問題を解決すると同時に、優秀なアタッカーとしての活躍を期待できます。

努力値は、サンダーで絶対に負けたくないポケモンであるエースバーンを特に意識しました。上記にはありませんが、A168火力アイテム無しならダイアタック(150)をダイマ時にアッキのみ込で3回耐えることもできます。また、タイプ的にやや面倒なドラパルトの上を取れる可能性を高めた結果、耐久型サンダーの多くの上を取れるくらいにまとまりました。従来のアッキのみ持ちに感じていた、「受けられても火力がなくて結局打ち負ける」という不満点を一気に解消できたと感じています。

技に関しては、ダイマを切らずに戦えるように、かつダイマが切れても場持ちを良くするために、かいでんぱ入りの2ウエポンです。元々はぼうふうの試行回数を減らすために、ねっぷう3ウエポン+せいでんきを採用していました。しかし相手のサンダーを舐めすぎなことに気づいて変更しました。ぼうふうはなるべく押さずに済むプレイを心がけていました。

ほうでんの麻痺によって相手にだけ運ゲーを押し付けながら、自分は下振れのリスクをなるべく小さくする。今まで自分の中でサンダーのイメージと言えば、「珠ダイマの爆弾」「勝つのも負けるのも運ゲー」「中途半端」だったのですが、この型に至ったおかげでいい意味で塗り替えられたと思います。

ちなみにこの型、元々は公式大会「チャンピオンリーグ」でよく似た調整のトゲキッスを使ったのがきっかけです。今回のパーティにもだいぶ影響を与えているので、併せて読んでくれると喜びます。


3.アシレーヌ@イバンのみ

ひかえめ、げきりゅう
186(244)-x-112(140)-177(116)-137(4)-81(4)
ねっとう/ムーンフォース/ハイドロカノン/こらえる
HB:A186カイリュー@いのちのたまのダイジェット(130)最高乱数切り耐え
HB:A184エースバーン@いのちのたまのダイジェット(130)確定耐え
HD:C194アーゴヨンヘドロウェーブ確定耐え

突然威力225一致技を放つ怪物。

イバンのみといえばドサイドンのイメージがあったので、元々この枠はカプ・レヒレを使う予定でした。しかしこれはドラパルトを使う上で厄介な問題を抱えており、どうしたものかと悩みました。そんな時に見つけたのがアシレーヌ

アシレーヌはダブルでも使っててHB振りの強さを理解していたこと、げきりゅう+水技の強さはUSMのゲッコウガで世話になったことから、使いこなすのに時間はかかりませんでした。アシレーヌ自身がダイマを切って、げきりゅう+雨ダイストリームをぶん回すも良し。初手ダイマの後発に置いて相手の後発ダイマを凌ぎつつ大きな削りを入れるのも良し。ちょっと遅いのが難点ですが、イバンのキープ含めてプレイングが面白いポケモンです。

アシレーヌは初手出ししやすい分相手のゴリランダーを誘いますが、そこはサンダーと組むことでアッキのみの起点にできます。サンダーを引き立てるという意味でも重要で、これにドラパルトを合わせたトリオだけでもかなりの相手を捌けるのが強かったです。

速い水ポケモンは強い、はっきりわかんだね。


4.ウルガモス@じゃくてんほけん

ひかえめ、ほのおのからだ
189(228)-×-100(116)-187(116↑)-126(4)-126(44)
ほのおのまい/ギガドレイン/ぼうふう/ちょうのまい
HB:A168エースバーン@いのちのたまのダイジェットを最高乱数切って耐え
HD:C194サンダー@いのちのたまのダイジェットを確定耐え
S:+1で最速エースバーン抜き
C:11n

怪物その1。サンダーとエースバーンを起点にするのは意味がわからない。

ガラルヒヒダルマが重かったので、初手に投げられてダイマを切らずに殴り勝てるポケモンが必要でした。スカーフ型のエースバーンが最適と考えましたが、サンダーにも弱いので即採用とはいきません。

ウルガモスはとんぼがえり半減に加え、ちょうのまいを押すことで裏のポケモンとの殴り合いにも強く立ち回れます。特にサンダーからの被ダメを軽減できるのが強く、ダイマと合わせることで一方的な起点にすることすら可能です。

また、初手ダイマしても高性能で、使用率の高いポケモンの多くを起点にできる地雷枠としても活躍してくれました。

後述のキュウコンと併せて壁展開と誤認させることもできます(壁展開もする時はあります)し、初手ダイマからタスキ枠による詰めの動きも可能で、かなり頼りになりました。当日1番多くダイマを切った、文句なしのMVPでした。


5.ランドロス(霊獣)@カゴのみ

わんぱく、いかく
195(244)-166(4)-154(236)-x-101(4)-114(20)
じしん/そらをとぶ/ビルドアップ/ねむる
HB:A197ランドロス@いのちのたまの-1ダイジェット(130)を確3
S:+1で最速ガブリアス抜き

怪物その2。余談ですが、このパーティはほぼ全員エースバーンへの殺意がすごいです。

チャンピオンリーグで使ったねむるギャラドスに感銘を受け、同じ型のランドロスも強いだろうと思いました。当初はつるぎのまいを採用していたものの、場持ちが予想より悪く困っていました。そこで試しにビルドアップを使うと覚醒。後に見つけた構築記事でも同じ技構成のランドロスを見つけたので、このまま使うことにしました。

基本的な使い方は、相手の物理アタッカーに投げてビルドアップ。そこからはダイマもねむるも自由自在です。特にエースバーンやランドロスに対しては受け出し→ねむるでローリスクなダイマ枯らしが可能。カゴのみのおかげでカバルドンのようなあくび持ちの前でも堂々と動かせるのが美味いです。

岩技を切っていることから実際サンダーは厳しいのですが、相手視点では当然ケアせざるを得ないほか、はねやすめに合わせてじしんを押せばなんとかなると思います。参考元でも言及されていますが、本当に強かったです。


6.キュウコン(アローラ)@きあいのタスキ

おくびょう、ゆきふらし
151(20)-x-101(44)-129(220)-121(4)-172(220)
ふぶき/ムーンフォース/フリーズドライ/オーロラベール
S:準速エースバーン抜き
HB:A200連撃ウーラオスのすいりゅうれんだを最高乱数2回+高乱数以外耐え

取って付けたようなタスキ枠。パーティの歪みを結構引き受けてもらってます。

ウルガモスランドロスの積み展開や、初手ダイマからの逃げ切り展開での選出が主になります。オーロラベールはパーティ全体の行動保証に繋がるので、特に相手の後発ダイマへの対策としても有用です。

攻撃範囲が優れているため、ふぶきを切ってアンコールやぜったいれいどを採用して受けに強くする案もありましたが、このポケモンだけでは焼け石に水なので見送りました。キュウコンを採用してなかったらこの枠はテッカグヤになる予定だったので、この枠の選択は何を意識するかの問題だと思います。

ウオノラゴンとウーラオスに安心してぶつけられる貴重なポケモンなので、過負荷がかからないように注意しましょう。


・選出の傾向

対面構築につき、どんな選出をしても様にはなるのですが、その中でも特に多かったものを紹介します。

1.先発ドラパルト+後発サンダー、アシレーヌorランドロス...高速アタッカーの先発と受け出し可能な2枚アタッカーによる王道の組み合わせ。先発は相手に応じてアシレーヌにすることもあります。

2.先発アシレーヌ+後発キュウコンウルガモス...ウルガモスに全ツッパ選出。キュウコンアシレーヌがいることからナットレイ先発もそこそこされるため、ウルガモス先発にして逃げ切り展開に持ち込むのも一考。ただし受け出しはほぼ不可能になります。


・苦手な相手

1.バンギラス+ウオノラゴン...どちらも単体なら処理できますが、2体揃うとだいぶアシレーヌに負荷がかかります。ナットレイもいる場合が多いので泣きたくなります。

2.受け構築全般...キュウコンの項でテッカグヤの採用を検討していたと言及しましたが、それは受け構築を倒すためです。対策枠を手放したので、まあキツいです。


・まとめ、参考文献

以上になります。

こんなシンプルなことに気づくのに3年もかかってしまい、自身の不勉強に猛省するばかりです。しかし、なんとか8世代シングルもそれなりに遊べるようになったので良かったです。

新作でも新しい要素が出るでしょうが、それに囚われることのないパーティ作りを意識したいなと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。以下に参考にした記事を載せてますので、よろしければそちらもどうぞ。

 

atsuatsuoden.hatenablog.com

shizuku810.hatenablog.com

qtaknoko.hatenablog.jp

seisinryoku828.hatenadiary.jp

hatopoppoppo.hatenadiary.jp

sintarosuch.hatenablog.com

teraandgoku.hatenablog.com