こんにちは、おでんです。今回は仲間大会でちょくちょく考えていた、ダイマ禁止全国ダブルのパーティ紹介となります。何かの参考になれば幸いです。
なんだこのG!?
・構築の経緯
ダイマ禁止全国ダブルと聞いて、剣盾で最も近いと感じるのはシリーズ9とシリーズ10でしょうか。前者はダイマ有りの全国ダブル、後者はダイマ禁止の竜王戦。ダイマの有無は禁止級の有無以上に戦略に影響を与えるので、ここではシリーズ10に焦点を絞ります。
シリーズ10ではダイマ禁止の影響からねこだましが非常に強く、また火力や耐久の増強が不可能なことからサイクル戦を視野に入れたパーティが多かったと見ています。S操作に関してはダイジェットが使えないことで、おいかぜやトリックルーム、エレキネット等が主な候補でした。
少々仕様が異なるとはいえ、7世代の全国ダブルに通ずるものがあります。そのため、最初はそれらを下敷きにパーティを組んでみました。
最初に仲間大会に出た時のパーティ。メタグロスによる瞬間火力、優秀な耐性で固めたサイクル戦と、悪くない形となりました。ただ、コータスにとても苦しめられたのが課題です。
さて、上記のパーティではカプ・レヒレとゴリランダーが同居しています。これによりフィールド管理が難しいのが問題として挙がりました。これはこのルールに限った話ではありません。カプ・レヒレ自体は非常に頼りになるポケモンのため、できれば似たような性能のポケモンで代替したい。
そんな折、昔使ったアシレーヌを思い出しました。努力値次第でカプ・レヒレに近い実数値を実現できることに目を付け、上位禁止ダブルで育成した個体を流用することにしました。
2代目のパーティ。こちらはフォロワーのふゆいさんが主催した「ダイマ禁止+準伝禁止全国ダブル」の仲間大会で使用しました。レジエレキやウーラオスが存在しないルールでは、7世代までの強豪にもワンチャンあると考え、HBウルガモス、HBギルガルド、スカーフタチフサグマを登用。これらも十二分に活躍してくれましたが、アシレーヌが予想以上に強力でした。ほぼHBに振り切ったおかげで受け出しも容易で、グラスフィールドを維持できるおかげで毎ターン約1/8回復できるゾンビじみた粘り強さを発揮してくれたのです。
これは良いぞと感じ、アシレーヌを軸にしたスタンを組むことにしました。ただ、このポケモンを中心にすると必然サイクル寄りになり、エレキウーラの並びがとても重くなることが明白でした。
色々考えましたが、補完としてマッシブーンを採用し、3代目のパーティが完成するのでした。
・個別の紹介
1.ゴリランダー@きせきのタネ
いじっぱり、グラスメイカー
203(220)-182(164)-111(4)-x-105(116)-106(4)
グラススライダー/ねこだまし/とんぼがえり/はたきおとす
調整:シリーズ10の流用
アシレーヌのお供その1。禁止級がいなければチョッキがなくてもなんとかなる。
アシレーヌの回復力を引き立て、またねこだましとんぼがえりで有利な盤面を作ります。低速重視なパーティの中で、強力な先制技を使えるのも頼りになります。
今更語るようなポケモンでもありませんが、火力水準が落ちるこのルールでは、ガオガエンとサイクルを回すだけで非常に粘り強くなるため、通常のルール以上に好印象でした。
2.アシレーヌ@たべのこし
ずぶとい、うるおいボイス
187(252)-x-128(180)-147(4)-138(12)-88(60)
ハイパーボイス/ムーンフォース/めいそう/まもる
HB:A194ゴリランダーのグラススライダーをフィールド補正込で確定耐え
S:並のガオガエンを抜けるように
CD:余り
今回の主役。すげータフ。
カプ・レヒレとやることは同じですが、大きな違いとしてフィールドを張り替えない点があります。その分状態異常に弱くなりますが、代わりにグラスフィールドの恩恵を最大限受けることができます。たべのこしと合わせて毎ターン22も回復するため、ねこだましやまもるを絡めることでギリギリの状態から建て直す場面も少なくありませんでした。
耐久に全振りしているため被ダメも抑えられ、上述の回復力から受け駒としても光るものがありました。ウーラオスに後投げできる貴重なポケモンなので、主役を譲る時は後発での出番が多いです。
しかしなんと言っても、隣のサポートからのめいそうがアシレーヌの十八番。1度積むだけで多くの等倍特殊に有利を取れます。また、水の全体技は普通に殴るだけでも便利で、削りとしても使えます。
ゴリランダーやレジエレキ、サンダーに弱いのは難点ですが、主役に抜擢する価値はあると感じました。
3.ガオガエン@フィラのみ
しんちょう、いかく
200(236)-136(4)-118(60)-x-146(180)-84(28)
ねこだまし/フレアドライブ/ちょうはつ/すてゼリフ
H:4n
アシレーヌのお供その2。言わずと知れた、7世代ダブルの王。
ゴリランダーと同じくアシレーヌの補佐が役目です。ゴリランダーが特にレジエレキ対策を担うのに対し、ガオガエンは草タイプ全般を引き受けます。中でもナットレイはガオガエンとマッシブーンでしか打点を伸ばせない他、催眠対策が皆無なパーティの中でモロバレルを止める役割も兼務しています。
これらの理由から、悪技は切ってちょうはつを採用しました。てっぺき、やどりぎのタネ、キノコのほうし...厄介な手を尽く封じてくれるので、このパーティではベストな選択だと思います。
8世代はガオガエン包囲網も強化されましたが、さすがの便利さでした。
4.レジエレキ@きあいのタスキ
おくびょう、トランジスタ
156(4)-x-92(172)-152(252)-71(4)-253(76)
10まんボルト/エレキネット/ボルトチェンジ/まもる
S:最速化身ランドロス@こだわりスカーフ抜き
HB:A182連撃ウーラオスのすいりゅうれんだ3発を確定耐え
HB:A194ゴリランダーのねこだまし+グラススライダーをフィールドの回復込みで確定耐え
S操作枠。スイーパーとしても肝要なポケモン。
サイクル寄りなパーティにおいて、削りあいとなった試合後半で各個撃破をになっています。エレキネットやボルトチェンジも、鈍足なスタンパにおいて好相性。
きあいのタスキを持たせていますが、物理耐久を確保しているおかげで過剰な警戒をせずに済みます。このルールでもやっぱり強い。
5.霊獣ランドロス@オボンのみ
ひかえめ、いかく
196(252)-148(0)-131(164)-149(84)-101(4)-112(4)
だいちのちから/サイコキネシス/まもる/とんぼがえり
S:-1段階の最速100族抜き
A182ウーラオスのすいりゅうれんだをオボンのみ込で確定耐え
アシレーヌのお供その3。電気と地面の一貫切り枠です。
シリーズ10でザシアンに後投げできる、対面からなら打ち勝てる型として開発したものです。具体的にはA244ザシアン(ランク0)のきょじゅうざんを、オボン込で確3。だいちのちからでH252ザシアンを確2に仕留めます。
連撃ウーラオスの前でも動かせるため、物理相手にはかなり強気に立ち回れます。その他、パーティ全体で打点の乏しいコータスに安定したダメージを与えられるのも見逃せません。ゴリランダーと同居しているので特殊型なのは当然なのですが、霊獣フォルムのため警戒が薄れているのかもしれません。
ガオガエンが出せない試合はもちろん、両選出した上にゴリランダーとも組ませた日には、アシレーヌに攻撃を通すのは困難でしょう。普段のランドロスほどの華々しさはありませんが、縁の下の力持ちでした。
6.マッシブーン@とつげきチョッキ
いじっぱり、ビーストブースト
183(4)-210(252)-159(0)-x-105(252)-99(0)
ドレインパンチ/きゅうけつ/れいとうパンチ/DDラリアット
アシレーヌを使う上で、エレキウーラの並びは無視できません。いかくが通用しないウーラオスの前でレジエレキを止められるポケモンは何匹いても足りません。例として正しいかわかりませんが、7世代のガルーラスタンでは、ガルーラのお供に格闘耐性持ちが大変多かったのです。クレセリア、カプ・レヒレ、サンダー、ギルガルド、ランドロス...。これだけでパーティが組めてしまうくらいには。
アシレーヌの苦手な電気と草対策は何重もあればいいし、それらと並びやすいポケモンも意識することに越したことはありません。しかしこれはダイマ禁止の環境で酷な話で、候補は数える程もいません。
そんな中、シングルの受け身なパーティで、たまーにマッシブーンが採用されていたことを思い出しました。マッシブーンは一致技で殴りながら体力管理が可能で、技範囲も広い。さらにウーラオスに滅法強く、特性のビーストブーストはサイクルと削りを重視するこのパーティのフィニッシャーとして申し分ありませんでした。サンダーがより重くなるものの、割り切ることにしました。
実際に使ってみると予想よりずっとタフなポケモンでした。アシレーヌ同様にゴリランダーやガオガエンで守ることで、マッシブーンに有効打がないパーティを軽々と詰ませられました。具体的には砂パ、霰パ辺り。独特な耐性のため有利不利が顕著で、存在が勝ち筋になり得ることから、守る価値はあると判断しました。
とつげきチョッキを持ってもなお耐久は心許なく、ローブシンを思い出す使用感でした。マッハパンチでもあれば強烈ですが、ウルトラビーストに先制技は期待できないので仕方ありません。
・選出や立ち回りについて
誰を出してもサイクル戦になってしまうため、明確にこれと言える選出はありません。代わりに、選出画面で考えることをお話します。
このパーティで突破力のあるポケモンはアシレーヌ、レジエレキ、マッシブーンの3匹です。ゴリランダーは削れた相手に強く、ガオガエンとランドロスは特定の相手にのみ高い打点を発揮します。そのため、突破力のある3匹の中で、誰を通すかを考えます。そして、それをサポートするための取り巻きを選ぶ形となります。
先発は比較的出し負けにくくし、万一裏を突かれた場合の引き先を後発に用意しておくと安心します。例えばアシレーヌを先発にする場合、相手がゴリランダーを先発にしてもいいように後発マッシブーンで備えるといった具合です。
また、ゆっくりした試合展開になる都合、要塞型(例:てっぺき型ナットレイ)に詰まされやすいと感じています。これに限らずですが、キツいポケモンの対策枠が過度に削られると終盤の打ち合いで不利になるため、それらをいかに温存しながら立ち回るかも重要です。サイクルを回すことに固執するのは避け、あくまで相手の勝ち筋を潰すことを意識しましょう。
・苦手なポケモン
1.原種サンダー...アシレーヌが苦手なポケモンに回復技が備わってるので最悪です。レジエレキは元々ウツロイドにしていたくらい、こいつが重いです。
2.ナットレイ...テッカグヤならレジエレキもいますが、ナットレイは、特に雨パにいると泣きたくなります。
・おわりに
ランクバトルに存在しないルールの記事ということで、使い道があるかはわかりませんが、いかがでしたでしょうか。
ダイマ禁止全国ダブルは結構面白いというか、メガもZもない分むしろシンプルでいいなと感じています。パーティにメガ枠を用意する必要もないし、不意のZで即死させられることもない。おかげでこういうパーティも安心して組めるので、ありがたい限りです。
剣盾もあと少しですが、残った時間は今回のように好きに遊べればと思います。以上です、最後までご覧頂きありがとうございました。