兵どもが鍋の跡

お残しは許しまへんで。

【剣盾GS(冠の雪原)、仲間大会2位】おでんのイベルザシアン、改めイベザシゲロゲ

 

 

こんばんは、おでんです。今回は12/4にかーたんさんが主催された仲間大会「かーたんカップ8せだいGS#22 ~でんせつは2ひきまで~」に参加し、2位を取りましたので、後に迎えるかもしれない公式ルール化に向けて記録を残しておきます。本当は1位で書きたかったけど、最後の1分で捲られたから仕方ない。

ちなみに、対戦成績は5-0、最終レートは1577でした。

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マンムーの更に上を行く地雷枠を見つけてきました。

 

・初めに:イベルザシアンの「顔」不在問題

「イベルザシアンとはどのような構築か」と聞かれた時、私は答えに窮するでしょう。と言うのも、この2匹の組み合わせには「顔」と呼べる一般枠が中々見つからないからであります。

カイオーガ+ザシアンにおける化身トルネロスや、バドレックス黒+ザシアンの化身ボルトロスのように、メジャーな組み合わせには定番の一般枠が1匹はいます。これらのポケモンは時にはエースを通すサポート役として、また時にはダイマックスを切るエースとして、パーティの戦略に大きな影響を与えています。まさに禁止級と並ぶパーティの「顔」と言って差し支えないでしょう。このようなポケモンがサッと挙がるパーティは勝ちパターンが明瞭で高いパワーを備え、さすがメジャー構築と言われるだけあります。

このような観点でイベルザシアンを見ると、「顔」の不在が顕著であります。複数名が仲間大会で1位を取る実績があり、かつ一時はバドレックス黒を使用率下位に追い込むほどの勢いがあったにもかかわらず、定番の一般枠が定まっていませんでした。これはそれだけ対応の幅が広いとも言えますが、一方で勝ちパターンの構築や立ち回りに求められる個人の技量が増大します。現在ではイベルザシアンはだいぶ数を減らしていますが、こういった事情が関係しているのではないかと考えています。

とはいえ、そのような状態でも結果を出しているということで、ポテンシャルの高さ自体は本物だと感じています。そこで今回は、イベルザシアンの一般枠と言えばこのポケモン!という1匹を探すことを目的にパーティを組むことにしました。果たして上手くいくでしょうか。

・構築の経緯:戦い方と役割の観点から

さて、一般枠を決める前に、イベルタルというポケモンを考えてみます。(ザシアンはみんな知ってるので今回はやりません)

イベルタルの特徴を挙げるなら、まず飛行タイプによるダイジェット要員としての運用でしょう。加えてダイアークによるビートも可能なことから、禁止級の中では比較的ダイマックス適性が高いと言えます。また、特性ダークオーラにより豊富な悪タイプの技を高火力で扱える点は見逃せません。特にふいうちは下降補正無振りでもようきウーラオスと同等で、バークアウトは実質威力71の全体技として扱えます。これにより先発の削り兼初手ダイマの妨害や、後発の詰めの動きまで、幅広く対応できます。

上記の特徴から、イベルタルを用いたパーティは

A.イベルタルの初手ダイマで場を荒らし、後発のポケモンで詰める。
B.イベルタルのバークアウト等で相手のダイマックスを枯らし、後発の打開ダイマで一掃する。
C.一般枠の初手ダイマで場を荒らし、後発のイベルタルで詰める。

という動きを取ると強いと考えられます。また、1匹でこれだけ多様な動きを取れるポケモンはそう多くなく、1つの構築でいずれの動きもできれば他の並びとの差別化もしやすいでしょう。相方にザシアンを採用し、S操作役に1枠使うとすると

イベルタル
ザシアン
ダイマックスのアタッカー枠
初手ダイマ
S操作枠
補完枠

という構造にするのが無難。これらの枠に当てはまるポケモンを検討していきます。

パーティの顔としてまず考えるべきはダイマ枠です。イベルザシアンは水と電気と鋼の一貫があり、このことから使用率の高いトルネオーガザシアンと黒馬ボルトザシアンに大きく不利を取ってしまいます。この3タイプ全てに互角以上に戦えるポケモンを考えた時、最も有力なのは特性ちょすいのガマゲロゲだと判断しました。技範囲が極めて広く、きょじゅうざんを半減、水電気無効の上、競合するトリトドンよりはるかに高いSと魅力的。物理も特殊もいけるため、相手の型の誤認を狙える点も好材料。メインのダイマ枠にガマゲロゲを決定しました。

ガマゲロゲはしかしながら遅い部類なため、単純なS操作では相手にもS操作をされた時に簡単に上を取られます。そのため、上からの攻撃への対策も必要です。このことから、でんじはと両壁を展開できるオーロンゲをS操作要員に指名しました。

後発イベルタルの選出はこの4匹でひとまず完成したので、次は先発イベルタルでの後発の一般枠です。理想はダイマックス適性があり、ダイマックスなしでも十分なアタッカーたりえること。順当にいけばダイジェット要員になるサンダー辺りが良いのですが、イベルタルが既にいるため役割が被りがちで、妥協案としてレジエレキを連れてきました。

最後に補完枠です。私が組むパーティは常々バドレックス白に弱くなりがちで、今回こそは勝てるようにしたいなと考えていました。また、ガマゲロゲフシギバナ系統に逆立ちしても勝てないため、これらへの対策も必要です。検討の結果、ぼうじんゴーグルを持たせたヒートロトムが浮かびました。耐久は不安ですが、以前使った時に頼りになったのでお試し。

ここまで組んで、以前てるチャレでたくさん見かけた壁ザシアンと並びがそっくりだと気づきました(トリトドンガマゲロゲになっちゃいましたが)。多少の差異はあるものの、考え自体はこれで合ってると判断しました。

これにてイベルザシアン改めイベザシゲロゲ、完成です。

※参考:

tsapple.hatenablog.com

 

・個別紹介

1.オーロンゲ@ひかりのねんど

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わんぱく、いたずらごころ
202(252)-140(0)-122(204)-x-102(52)-80(0)
ウルクラッシュ/リフレクター/ひかりのかべ/でんじは

HB:A222ザシアンの+1きょじゅうざんとA167ボルトロスのダイジェットをリリバのみと壁込で最高乱数2連以外耐え


壁役。リリバ型の調整を流用しました。

いつも言ってることですが、黒馬ボルトザシアンのボルトロスは中々の強敵で、こわいかおやでんじはといった単体のS操作では覆されてしまいます。しかも多くの構築においかぜ要員も控えています。このトリオに上から勝つのは無理があると考え、耐える方針を固めました。

特に捻りのない構成で、多くは語ることがありません。適当に壁を貼り、適当に麻痺をまく。ただザシアンには優先的にでんじはを当てに行きたいところ。イベルタルイカサマを入れているので、上さえ取れれば半分程度削れるのは強いです。ちなみに、まひが入った最速+1ザシアンは最速イベルタルで抜けます。


2.ガマゲロゲ@いのちのたま

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いじっぱり、ちょすい
181(4)-162(252)-97(12)-x-108(100)-112(140)
じしん/アクアブレイク/れいとうパンチ/パワーウィップ
S:まひした最速バドレックス黒抜き他色々
D:余り
※確認したらB個体値が低かったので、ここでは理想個体の実数値を紹介してます。

遅れてきた怪物。ゴリランダー減少の恩恵を最も受けたポケモンと言っても過言ではない。

以前紹介したマンムーは、多くのサポートをもって黒馬ボルトザシアンを倒しきるというものでした。しかしカイオーガ系統にはお世辞にも強いとは言えず、イベルザシアンに組み込むには限界を感じていました。そこで連れてきたのがこちら。

ガマゲロゲはイベルザシアンに一貫する水、電気、鋼を全て切れる最高クラスの耐性を持つのが売りです。しかも水と電気は特性込で無効。さらに極めて広い技範囲を持ち、物理も特殊もこなせます。種族値がやや低いのが難点ですが、そこを壁とダイマックスで補います。

今回は少しでも火力を出すために種族値が高い物理型にし、守りはオーロンゲやヒートロトムに任せてフルアタに。特性は一見すいすいで良さそうですが、仮想敵のカイオーガから致命傷を受けては意味が無いのでちょすい一択です。方針としては「耐えて殴る」になるでしょう。

使用感は良好で、大抵の相手に弱点を突けるので、カタログスペックよりは火力を感じました。また優秀な耐性のおかげでダイマターンを使い切ることができて、相手の初手ダイマが残った状態で後続が引きずり出される心配がありませんでした。草タイプの他、バドレックス白はさすがにしんどいので、ヒートロトムで相手しにくいガマゲロゲの仮想敵(カイオーガとか)と組まれた時は選出が難しいかもしれません。

全体的に、イベルザシアンの「顔 」として十分な活躍だったと判断します。それどころかザシアン、カイオーガ、バドレックス黒の三強全てと互角に戦える実力から、多くの中堅・マイナー禁止級開拓のきっかけになるかもしれません。


3.イベルタル@とつげきチョッキ

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おくびょう、ダークオーラ
202(4)-135(0)-122(52)-176(196)-119(4)-166(252)
バークアウト/ふいうち/デスウインング/イカサマ
HB:A244ザシアンの+1きょじゅうざんを確定耐え。ダイマックス時+1じゃれつく確定耐え。
S:最速。麻痺した最速+1ザシアン抜き。

今回の禁止級その1。GSでは久しぶりの出番です。

イベルタルというポケモンは、現在のGSのダメージレースについていけてないのではと感じています。火力はもちろんのこと、火力を追えば耐久が足りなくなります。構築経緯でイベルタルダイマックスを切るプランも挙げてますが、中々通せる相手が少なかったり。

そのため、主に全国ダブルのウーラオスのような詰め役として構成を整えました。デバフ、先制技、ドレイン技全てを比較的高いダメージで使え、いざと言う時のダイマックスでザシアンの加速装置にもなります。全体的に、ザシアンの引き立て役としても活躍の場を得たのではないでしょうか。これはイベルタルに限った話ではありませんが、有利不利がはっきりしている禁止級は、補助や補完に回る方が構築が安定する気がします。

技はとつげきチョッキ型の基本で語ることがありません。努力値もCSベースに最低限の耐久調整で、問題ありません。実際にはイベルタルが出るまでに試合が決まることも多くてなんとも言えませんが、少なくとも使ってて不満に思うことの大半は解消できました。

ガマゲロゲという相方を見つけたイベルタルの、今後が楽しみです。


4.ザシアン(けんのおう)@くちたけん

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いじっぱり、ふとうのけん
199(252)-229(148)-136(4)-x-137(12)-180(92)
きょじゅうざん/せいなるつるぎ/じゃれつく/まもる
S:最速化身ボルトロス抜き。
BD:ダウンロード調整。

久々のザシアン。色違い配布でますます使用率が上がりそう。

だいぶ遅めなHCSザシアン。ブラッキーパルキアがしんどくなるのを見越してじゃれつくも入れてます。

壁があるので、A222ザシアンのきょじゅうざんを乱数ながら2耐えに持ち込めるタフさが魅力的。また、いつも辛酸を舐めさせられるC222ホワイトキュレム@いのちのたまのダイアースを確定耐え。よほどのことではワンパンされなくなるため、後発ダイマの処理という役割の遂行も安定しました。

このポケモンも語り尽くされてるので言うことはありませんが、やっぱり強かった。


5.ヒートロトム@ぼうじんゴーグル

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ひかえめ、ふゆう
157(255)-x-127(0)-166(204)-127(0)-113(52)
オーバーヒート/10まんボルト/わるだくみ/サイドチェンジ
S:ガマゲロゲ+1

ガマゲロゲの補完枠。影のMVPと言っても良いかも。

ガマゲロゲではどうしてもフシギバナ筆頭に草タイプが厳しい。またバドレックス白にも勝てるポケモンが欲しい。そのため、ねむりごな含めて一切の反撃も許さないヒートロトムが上がってきました。

わるだくみは使う暇あるかなあと思いましたが、バドレックス白のトリパは序盤は比較的ゆっくりした動きを取っていたので、そのタイミングなら狙えそうでした。また、サイドチェンジはダイマックス終了後に腐らず、パーティのどのポケモンとも相性補完に優れるため頼りになりました。

特にぼうじんゴーグルが素晴らしく、モロバレルの前で殆どの択をこちら有利にできるのが強力でした。例えばダイサンダーで催眠耐性をつけようとした時に、トリックルーム下で下から眠らされて止められるといったことがないので、パーティの催眠耐性を大幅に増強できたのも心強かったです。さいみんじゅつは知らない。

昔使った時はとつげきチョッキ型で、耐久が心配だったものの、壁や仮想敵を絞った運用で問題ありませんでした。ただ、ガマゲロゲもですがお互いの仮想敵で組んだ並び(例:ガマゲロゲの仮想敵カイオーガヒートロトムの仮想敵バドレックス白)はキツかったので、どちらを選出するかは慎重に判断しましょう。


6.レジエレキ@きあいのタスキ

f:id:atsuatsuoden510:20210829062202j:plainおくびょう、トランジスタ
156(4)-x-92(172)-152(252)-71(4)-253(76)
10まんボルト/エレキネット/ボルトチェンジ/まもる
S:最速化身ランドロス@こだわりスカーフ抜き
HB:A182連撃ウーラオスのすいりゅうれんだ3発を確定耐え
HB:A194ゴリランダーのねこだまし+グラススライダーをフィールドの回復込みで確定耐え

シリーズ10の流用。選出できませんでした。

ダイマックスでのアタッカーということでしたが、イベルタルで先発ダイマックスするなんて美味しい場面はそうそうあるものではありませんでした。そのためレジエレキはベンチを温める電気ブランケットになりましたとさ。

後発ダイマックスとして使う場合でも、イベルタルが飛行タイプなため新たに飛行タイプを入れにくいという構造上の問題に悩まされました。結果としてこのような形だったので、この枠はよく考えた方が良いです。ここを改善できればもっと伸びるでしょう。

欲しい要素は、ダイジェット抜きにしても高い全抜き性能を持つこと。できればダイマックスなしでもザシアンと合わせて色々やりあえるポケモン。倍速特性持ち辺りが候補かな...?


・選出について

先発:オーロンゲ+ガマゲロゲorヒートロトム
後発:イベルタル+ザシアン

ほとんどの相手にこれで通します。

オーロンゲで場を整えながら隣のダイマックスでどんどん頭数を減らしていきます。ヒートロトムの場合、ゆっくり動きそうな相手には後続の禁止級を貫けるわるだくみを押しても面白い。

後発の禁止級コンビは、高いスペックで狩り残しを仕留めます。特に相手の後発ザシアンに不利を取りやすいため、事前にでんじはを撒いたり壁で耐える算段をつけます。


・苦手な相手

バドレックス白+カイオーガ...上記の通り、ガマゲロゲヒートロトムそれぞれで見る禁止級が違うので、組み合わされるとかなり辛いです。中でもカイオーガダイマックスされるのが最悪で、ヒートロトムの+2ダイサンダーでも余裕を持って耐えてきます。ヒートロトムを選出することが多いので、このポケモンの体力管理が大事になると見ています。

ホワイトキュレム系統...フリーズドライがあると全てのポケモンが弱点を突かれます。おいかぜ要員がいることが多く、ザシアンと組まれるとひとたまりもありません。先発ザシアンで処理して後発ヒートロトムダイマックスが現実的な対応か。


・終わりに

いかがだったでしょうか。

今回はイベルザシアンの顔を探すという目的がありました。しかしながら、そこに留まらずガマゲロゲヒートロトムの汎用性の高さを垣間見れたのは収穫です。参考にした構築が相性補完の点でいかに優れていたかを理解しました。

これを機に、イベルタルに限らず多くのパーティを組む参考になれば幸いです。最後までご覧頂きありがとうございました。質問は@atsuatsuoden252まで。

 

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サムネ用。