兵どもが鍋の跡

お残しは許しまへんで。

【単体考察:剣盾GS(冠の雪原)】サポート型ボルトロス(化身フォルム)について

こんにちは、おでんです。今回は剣盾GSの冠の雪原環境における単体考察をしようと思います。個人的な使用感を下敷きに論を展開しているため、ご利用の際はご自身での検証もお願いします。

 

さて、今回考察するのはサポーターとして蘇ったボルトロス(化身フォルム)です。なお、以下の文章に出てくるボルトロスは、指定がない限り全て化身フォルムとします。また、当記事は特にこれからGSを始めたいなという方向けに書いていますので、多少くどい部分があると思いますが、そういうものだと思っていただければ幸いです。

 

 

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このポケモンがトラウマになった人もいるのでは。


1.7世代までのボルトロスについて

 

6世代のポケモンバトルを象徴する1匹であるボルトロスは、特性「いたずらごころ」をもって上から補助技を打つことができます。当時命中100でS1/4下降のでんじはや、自傷率1/2のいばるにより、理不尽な戦いをしかけることができました。現在でも動画がたくさん残っているので、気になる方はYouTubeを探してみるといいでしょう。

 

しかしながら、ボルトロス(と、同様に強力な先制技を手にしていたファイアローや、6世代の王者であるメガガルーラ等)は当然、7世代で大幅な弱体化をされました。先制技を封じるサイコフィールドの導入と、フィールドを展開できるカプの登場。サイコフィールド以外にも「ビビッドボディ」と「じょおうのいげん」もあります。また、悪タイプに「いたずらごころ」への耐性も付与されました。更に、でんじはやいばるは命中が下がり、麻痺や混乱そのものも弱体化されました。

 

これらの封じ込めにより、ボルトロスダブルバトルから姿を消していきました。ガルーラスタンでは代わりにサンダーが採用されるようになり、GSではおいかぜやこごえるかぜを使えるトルネロスが一時期台頭しました。しかしついぞボルトロス復権することはなかったのです(霊獣ボルトロスは少しだけ見たような気もしますが)

 

時は流れて8世代。冠の雪原が解禁され、多くの準伝説と禁止級が帰ってきました。そこでボルトロスを待っていたのは...。


2.8世代におけるボルトロス

 

8世代のボルトロスは、全体で見ればかなり強化された部類だと考えられます。以下にそれらを挙げていきます。

 

A.ダイマックスの登場...耐久が2倍になること、全ての技がダイマックス技になることが特徴です。既に多くのポケモンが、これまで見向きされなかった技をダイマックスで活用しているのは周知の事実。ボルトロスもその例に漏れず、特に物理技のラインナップが優れます。ダイジェット(そらをとぶ)、ダイナックル(ばかぢから)、ダイアーク(うっぷんばらし)等々。特殊飛行技を持たず、めざめるパワーをも失ったボルトロスですが、物理型としての可能性が生まれました。

 

B.とくせいパッチの登場...このアイテムにより、多くの準伝説の夢特性が解禁されました。ボルトロス夢特性はまけんきで、5世代のポケモンARサーチャー以来の実装です。この特性は上記のダイマックスや物理型とは好相性で、ひとたび型を見誤れば、そのまま負けに繋がりかねない強力な組み合わせと言えるでしょう。相手のダイマックス技の能力下降でも誘発されるのも、対処を難しくしています。

 

C.S操作の即時反映...これまではでんじはを使っても、S下降は次のターンから有効でした。しかし、仕様変更により相手の高速アタッカーの行動を遅らせつつ、隣のアタッカーで処理という動きができるようになりました。でんじは以外にも、ダイジェットのS上昇もすぐ反映されるので、非常に強力。

 

D.かいでんぱ、こわいかおの習得...特殊アタッカーを骨抜きにしたり、相手の縛りを抜け出すのに使えます。これまでボルトロスの使う補助技は、でんじは、いばる、ちょうはつ、あまごい、みがわり程度で、この中のでんじはといばるが弱体化したとあっては低迷も免れませんでした。思ったより貧弱な補助技のラインナップが、今回テコ入れされたわけです。なお、こわいかおは「じならし+じゃくてんほけん」のコンボを行動順の変化によって妨害したり、トリックルーム下で味方に使うことで縛りを解除したりといった使い方もできるため、中々対応範囲が広いです。

 

E.環境の変化…これはボルトロスには直接関係ない話ですが、いたずらごころに強いサイコメイカーが使用率を落とし、動きやすくなりました。相変わらずカプ・レヒレは多いものの、そもそも技が成功しないということは7世代より少なくなるでしょう。

 

こんなところでしょうか。もちろん、強化の他にめざめるパワーやどくどくの没収といった弱体化もありますが、ダイマックスを中心にした攻めの気質が強い8世代において、そこまで重要視されてないように見受けられます。あれば便利なのは間違いないですが、他のポケモンも使えないのでトントンです。

 


3.剣盾GSにおけるボルトロス

 

ここからは、冠の雪原環境のGS(以下雪原GS)におけるボルトロスを見ていきます。

 

雪原GSで中心を成すのは、やはりザシアンとカイオーガです。カイオーガは言うまでもありませんが、ザシアンはきょじゅうざんが厄介で、しかも特性で火力が上がるため、鋼等倍のポケモンダイマックスをしたくてもできないというのが現状です。どうしてもしたければ、S操作や火力を下げるしかありません。

 

そうなると、ボルトロスの鋼耐性は活きてきます。元々心もとない耐久種族値をしていますが、持ち前の耐性によりザシアンの前でダイマックスを切ることが可能となります。とはいえ1発耐えられる程度の上、ダイジェットを使わないと上を取れないため、短期での決着を求められます。また、物理電気はカイオーガ対策としても特に有効なもののひとつです。このことからも、物理型のボルトロスは一般ポケモンの中でも特にダイマックスエースとして環境に適していると言えるでしょう。

 

一方サポート型も負けず劣らず優秀な性能です。比較的物理アタッカーが強い剣盾環境ながら、こと雪原GSでは特殊アタッカー(カイオーガ)が幅を利かせています。カイオーガ以外にもバドレックス黒、イベルタル、ゼルネアス、ディアルガ...力ある特殊アタッカーは、大抵S操作手段も持ち合わせています。イベルタルには悪タイプのため通らないものの、それ以外にはかいでんぱが間に合います。カイオーガの雨補正ダイストリーム(150)@いのちのたまですら、上からのかいでんぱで耐えられてしまうため、場持ちがとても良くなります。パーティの特殊アタッカー対策をほぼ一手に引き受けられる他、広範囲でのS操作も任せられるでしょう。火力もサポート型にしてはある方なので、汎用性が抜群です。

 

物理アタッカーとサポート型、いずれも光るものがありますが、今回はタイトル通りサポート型の紹介をしていきます。アタッカーは使ったことがないので書けないというのもありますが、サポート型はアタッカー以上に代わりのきかない存在だからというのもあります。

 


4.型紹介

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ボルトロス(化身フォルム)@マゴのみ
おだやか、いたずらごころ
184(236)-121(0)-109(148)-145(0)-127(124)-131(0)
10まんボルト/ウェザーボール/かいでんぱ/こわいかお
HB:A222ザシアンの+1じゃれつく確2
H:4n
HD:C222カイオーガ@いのちのたまの-2雨ダイストリーム(150)確2

この型を使ったパーティ:

atsuatsuoden.hatenablog.com

 

厳密には、カイオーガの上記の攻撃を耐えるにはD実数値119あれば事足りるため、努力値は56余ります。これをどう振るかは自由ですが、私が使った限りではD振りが良いです。

 

努力値について、環境の中心にいるザシアンとカイオーガの前で行動するというのを目安に耐久ラインを設定しました。これにより多くのポケモンの前で行動保証を得られます。火力は無振りでもトドメを刺したり削るのには十分なため無振りに。Sについては余った努力値で抜けるのが準速85族までで、GSの激戦区である準速90族に届きません。ですので、こちらも今回は無振りにしました。グラバナミラーを意識して準速フシギバナ抜きくらいならありかも?

 

持ち物はマゴのみです。ボルトロスは色々な性格が考えられますが、少なくともS下降補正はないと考えられます。そのため、それらが混乱してしまうマゴのみにすることで、相手にこちらの性格を絞らせません。また、HPを4nにすることで、発動しやすくします。ちなみに、回復量は1/3なため、端数が出ない最適なHP実数値は12nになります。発動しやすさを取るか、回復量まで最適化させるかは、好みで選べばいいと思います。

 

技は定番の3種にサブウェポンの構成です。かいでんぱとこわいかおはどちらか1つにして、まもるやちょうはつを入れてもいいでしょう。サブウェポンは今回ウェザーボールを採用していますが、ここに更に補助技を入れるのもありです。パーティによって必要な技が変わると思いますので、ここで挙げたもの以外でも必要なら入れておきましょう。ちなみに私の場合、かいでんぱはカイオーガに使うため、こわいかおはパーティに乏しいS操作兼トリル対策として、ウェザーボールは晴れを利用することで不足しがちな炎打点を補うために選択しました。

 

使い方としては、主に先発のダイマックスエースの隣に置いて、S操作やCダウンにより安全にダイマックス技を通すことを目指します。使い捨てのサポート役として使うのが基本になりますが、生きてる限り仕事ができるため、余裕があるなら途中で退いてもいいでしょう。

 


5.サポート型ボルトロスと相性のいいポケモン

 

最後に、ボルトロスの隣に置くポケモンの候補を考えます。

 

かいでんぱがあるため、特殊耐久についてはそこまで求められません。代わりに物理耐久に自信があるポケモンが向いています。また、単体で十分な火力を出せるのが望ましいです。あまり候補は多くありませんが、この条件を満たすポケモンとしては、ディアルガが筆頭に挙がるでしょう。ダイスチルによる物理耐久上昇と、全体的に高い種族値、その中でもやや控え目なDS等、ボルトロスとの噛み合わせが抜群です。次点としてはソルガレオカイオーガ等もいます。

 

一方こわいかおに視点を移すと、相方は特にS実数値が重要です。というのも、禁止級で最速のバドレックス黒はS実数値222で、こわいかお考慮なら実数値112あれば足ります。また、味方に打つことを考えると、トリックルーム下で最遅ガオガエン(58)を下回れる114以下だと何かと都合がいい。となれば、実数値112-114を実現できる、S種族値50(最速112)から122(最遅114)までのポケモンが適切でしょう。禁止級は多くがS種族値90前後に集中しており、この技に関しては様々なポケモンとの組み合わせが期待できます。

 

組み合わせは禁止級だけにとどまりません。ダイマックスのおかげで一般枠でも禁止級と互角以上に殴りあえるためです。その中でも、追加効果で定数ダメージを与えられるフシギバナリザードンカメックス、セキタンザンは注目すべき候補です。GSは種族値の高いポケモンが多いため、通常以上に定数ダメージの重要性が上がっています。ボルトロスをサポートに据えるとどうしても打点が不足しがちなため、それを補う意味でも好相性でしょう。

 

不利な相手から相方を選ぶのも面白いです。ボルトロスは相手の能力を下げていく都合、相手のクリアボディやメタルプロテクトに対して何もできません。これらの特性を持つポケモンにはドラパルト、メタグロスソルガレオ等がいますが、これらに強く出られるイベルタルやバドレックス黒も悪くないでしょう。

 

このように、ボルトロスと組み合わせたくなるようなポケモンの幅はかなり広いです。ここで挙げたポケモン以外にも、自分の好きなポケモンと組み合わせられないか、是非検討してみてください。

 


6.終わりに

 

以上が雪原GSにおける、現段階のボルトロスの考察となります。

 

GSというルールは禁止級による暴力的な試合展開が目立ちますが、それらを引き立てるサポーターの活躍も華の1つです。他のポケモンではしっくりこない!と思ったら、この記事を参考にしていただければ幸いです。最後までありがとうございました。